ロス・チャコス/LOS CHACOS
アンデスの笛<W>/コンドルは飛んで行く  GT-5022
1974年発売 
キングレコードから民族音楽シリーズとしてたくさん出ていた中の一枚。ロス・チャコスだけで6枚発売されていた。サイモンとガーファンクルによってコンドルは飛んで行くがヒットする以前からフランスではすでにロス・インカスはじめいくつかのフォルクローレグループが活動していたようだが、フランス人で結成されたこのロス・チャコスは日本公演も行い第一次ケーナブームの火付け役ともなった。中でもこのLPは私にとっても忘れがたい一枚である。
A面 1.コンドルは飛んで行く 2.ムナウァンキ 3.タラパカの男 4.ネグリータ 
    5.酔っぱらいの泥棒 6.ねむるインディオの子 
B面 1.シクーリ 2.ソンコイマン 3.ボリビア娘 4.ポジェリータ 5.忘却の鐘 
    6.コチャバンバ 
ケーナは唄口側が赤く塗ってあり当時のピントスに似た感じ。サンポーニャは半音用と思われる管を3列目に配置したものを吹いている。少なくとも1974年当時すでにクロマチックサンポーニャが存在した訳でフェルナンド・ヒメネスが元祖ではないようだ。管の上部が斜めにカットしてあるのも特徴的。材質は金属かプラスチックのように見える。但しこのLPにはサンポーニャは登場しない。
ロス・ライカス/LOS LAIKAS
ケーナの寵児/IDEOLOS DE QUENA   SWX-7130
1976年日本ビクター発売
ロス・ライカスのデビューアルバム。“Laika”とはアイマラ語で「魔法使い」を意味するらしい。本田健治氏の解説によるとボリビアのサンタクルス出身の若者3人組が1973年アルゼンチンの北部サルタで大人気を博していたらしい。若々しくかっこいい演奏スタイルが大衆にもてはやされ、引っ張りだこだったようだ。8分の6拍子のリズムを軽快に吹き鳴らすケーナは若き日の髪の毛がふさふさしていた頃のカルロス・フローレス。チャランゴは美声ボーカルでイケ面のラファエル・ウレイ・ヒメネス。ギターはその後日本女性と結婚し日本で暮らすことになったカルロス・ルイス・セベリッチ(現ロス・トス・アミーゴスのリーダー)。初めてライカスを聴いたときは朗々と吹き渡る高音にカルチャー・ショックを受けた物である。今でも良いお手本とさせてもらっている
A面 1.カルナバレアンド 2.ビルヒニア 3.朝日のあたる家 4.グアダルキビール 
    5.若い愛 6.サンフランシスコへの道
B面 1.ウァイノのメドレー 2.カルナバル 3.満月の夜 4.ガロペーラ 
    5.アミーゴス 6.ライダース・イン・ザ・スカイ
ロス・ライカスはその後の2集、3集を含めてセレクトされたベスト盤CDがビクターから出ているがこのLPからは5曲しか入っていないのでこのLPの価値は高い。「朝日のあたる家」「ビルヒニア」かっこいい。
カナタ/KANATA
LOS DE KANATA   LPS-021
1977年ボリビア盤
私のコレクションの5本の指に入る名盤です。(名盤がいっぱいあるのでそのうち指が足りなくなりそう・・・) 曲間に入るハイメ・フナロのナレーションが雰囲気を盛り上げます。
A面 1.KANTU  2.PEREGRINO  3.BUSUCANDO  4.MORENADA
    5.SONKOY NANASKA
B面 1.PATAJALLPHAPI  2.SURAPATA MOLLECITO  3.DESDE EL VALLE
    4.SURCO  5.KANTU
今から約20年以上前我が国に於けるボリビア・フォルクローレの老舗、福岡さんの“アンデスの家ボリビア”でベストセラーとして紹介されたLP。福岡さんのおかげで今となっては貴重なLPを沢山入手出来たのである。このLPはすべてインスト曲。ケーナ、サンポーニャのレパートリーに絶好の好ましい曲揃いで、多くのファンを魅了した。ただし、キーが半音低いのでLPに合わせて練習するのが苦しかったりするけれど、今ならパソコン処理でキーを調整することも能。でもLP全体から感じるこの深い味わいは、キーが半音低いことに関係してるかも知れないと思ったりもしている。
ウルバンバ/URUBAMBA 
ウルバンバの魂     SOPM-119 
1974年3月 ニューヨーク録音/ポール・サイモン・プロデュース  
私のコレクションの中から一番のお気に入りを・・・と言われれば一つに絞るのは難しいけれど、間違いなく5本の指に入るのがこれ。ポールサイモンがプロデュースし彼のツアーに同行していたというウルバンバのサウンドに心洗われたものである。今聴いてもイイなと思うし最近の癒し系サウンドにも通じるものがある。ロス・インカスがサイモンのプロデュースで活動するときはウルバンバという名で活動したということらしい。
A面 1.ウルバンバの流れ 2.インカ皇帝の魂 3.陽気な歌い手達 
   4.高地の旅人  5.ひとりぼっちのメリー(こだま) 6.木の馬
B面 1.また逢うその日(カチャルパリ) 2.死のサンタクルス
    3.パンの笛の便り  4.愛するペルーサに 5.名手ウーニャ
A面1.5.B面1.などの曲はその後フォルクローレのスタンダードとして定着している。中村とうよう氏による詳しい解説も興味深い。ロス・インカスのパリデビューが1956年。インカスとサイモンの出会い、その後ウルバンバの名でサイモンのツアーに参加していたこと、日本にも来たこと等。ただしケーナがホァン・ダレーラではないかと記されているが、この音色は一時期在籍していた名手ウニャ・ラモスのものと思って間違いないであろう。名手ウーニャという曲も入っていることだし。左端でアンタラを吹いているのは最近フュージョン系のケーナ奏者として有名になったアルゼンチンのホルヘ・クンボ。何度も来日しているようだ。数年前の来日時、私の友人が私の作ったピッチ調節式ケーナを見せたところF調で是非作って欲しいという話があったが、帰国に間に合わず頓挫してしまったのは残念である。
ロス・インカス/LOS INCAS
アンデスの歌祭り/LA FIESTA   EOS-70044

1973年パリ録音

上記ウルバンバはこのロス・インカスの分身であり、メンバーもほとんどダブっている。ウルバンバがイージー・リスニング的な方向を取っているのに比べ同時期に録音されたこのロス・インカスは、明らかにフォルクローレ色を出した曲作りとなっている。そしてこれも私の好きな一枚である。
A面 1.山の男 EL SERRANITO  2.プチーナの水 AGUITA DE PUTHINA  
 3.アナ・アニータ ANA ANITA  4.トーパ・インカの葬式 FUNERAL DE TOPA INCA  5.マヌターラ MANUTARA
B面  1.モート・メンデス MOTO MENDEZ  2.田舎者 EL PROVINCIANO  
 3.ウァカ・トコリス HUACA TOKHORIS  4.エル・マンプロリオ EL MAMPULORIO
 5.ミロンガ・ミ・ニーニャ MILONGA MI NINA  6.ノミの行進 MARCHA DE LAS PULGAS
A3の「アナ・アニータ」はかつてわたしの所属したコンフントのレパートリーでもあった。
ケーナは上記ウルバンバとは明らかに音色が違うので、こちらがホァン・ダレーラのケーナに違いない。