さて、第十四回は特別企画「無声映画鑑賞会IN立命館」の報告で御座います。
12月18日に京都市の立命館大学で
「ー無声映画、等持院に帰るー 第六弾 阪東妻三郎独立八十周年」
と題されて、無声映画の鑑賞会が催されました。
下にあげてあるのは当日のプログラムです。
初めての生の弁士さん付きの無声映画上映。期待に胸を膨らませ、いざ立命館大学へ!
○開場まで
当日は雪でした。この日は日本中が大変な大雪だったようですね。
幸いにも京都はそれほどではなかったのでまあ良かったかな、と。
立命館大学までは、京都駅から市バスの50系統に乗り約40分、終点で降ります。
着いた時間が午後2時。開場まで、まだ約30分あります。
仕方がないので少しばかり大学の中を見て回ります。
といっても会場のホールからあまり離れなかったのでたいした発見はありませんでした。
○開場〜開会
さて、うろうろしているうちに午後2時30分になりました。開場の時間です。
入り口のほうを見てみると、何か配っている模様。
プログラム(↑)ともう一つ丸められた紙です。
受け取ってみてみると、なんと「マツダ映画社の2006年カレンダー」ではありませんか。
私、今年はこれを買おうと思っていたのですが思いがけずただで手に入って、なんという幸運。
(ちなみに買うと1枚350円送料200円也)
これがお土産のカレンダーです。もらったものをデジカメで撮影しました。見づらくて、申し訳ありません。
観客は大体100〜130人ほどでした。
私は7番目に入場し、席は一番前に陣取りました。一般席では最も弁士の場所に近いところです。
舞台上はこのような感じでした。黒丸が私の席です。
| |スクリーン| |
| 弁| |楽 |
| 士| |団 |
|____________ |
○○○ ●○○○○○○ ○○○
○○○ ○○○○○○○ ○○○
○○○ ○○○○○○○ ○○○
○開会〜上映
三時になりまして、立命館の冨田先生から紹介があって本日の弁士を務められる澤登翠さんのお出ましです。
そのいでたちは、蝶ネクタイに燕尾服。さながら・・・なんでしょう。形容できません。
今回の上映作品は「逆流」(大正13年・東亜マキノ等持院)と「雄呂血」です。
さて、会場が暗くなりスクリーンに映像が映し出されます。
年期を感じさせるノイズの入った映像です。スタッフロールが済み本編が始まると、凛と冴え渡る弁士の声!
澤登翠のあの声です。BS放送の無声映画で聞いたあの声と同じ声です。
しかも少し左を見れば、本物の澤登さんがマイクを持ってやっておられるのです。
まあ、それを見に来たわけですが。
もう少し弁士さんの様子を書きましょうか。
語り方からいうと、ナレーターの場面と台詞の時、また台詞でもその人物人物で声はもちろんですが、
その人によって、澤登さんの顔付きまでが目まぐるしく変わっておりました。
そのうえ、手振りまでついているのですな。
そして技術、でいいんでしょうか。剣の稽古の場面だったのですが、
掛け声で、「やーーーッ」とか、「おーーーッ」などと大声で気合を入れるところがあるんですね。
そこで澤登さんを見ておりますと、大声を出す時スーッとマイクを離されたのですね。
こういう動きというのも実際にじかに弁士さんを見ないと分からないものですな。
それと、意外にも印象に残ったのが楽団による生演奏でした。
楽器は確か、ピアノ・フルート・三味線・太鼓・ヴァイオリンだったと思います。
中でもフルートの響きが阪妻の悲壮感あふれるチャンバラにぴったりで感動しました。
○終演〜帰宅
「雄呂血」も終わり、時間は大体5時20分。終演の時間です。
澤登産から挨拶があり、拍手でこの会は幕を閉じました。
外にでると少し吹雪いておりまして、寒う御座いましたが、
私はいい映画を観た後特有のわけの分からない微笑をしていたように思います。
(端から見ると気味悪いでしょうが)
○総括
とにもかくにもいい上映会でした。聞けば、この上映会は毎年開いているとのこと。
私も来年の上映会にも多分行くでしょう。
尚、今回は例外で12月に開かれましたが、例年は11月だそうです。
興味がある方はどうぞお運びになられることを強くお勧めします。
また、東京ではこういう上映会は結構やっているようなので、
その近辺に住んでおられる方はお運びいただくのもよろしいのではないかと思います。
情報は当サイト関所のマツダ映画社のサイトにありますのでご参照ください。
では今回はこれにて一巻の終わりで御座います。