第七回は渥美清主演「拝啓天皇陛下様」(昭和38年・松竹)です。
先日、NHK衛星第二で放送されたものです。
まずは粗筋から。
渥美清扮するヤマショーは日本軍に招集された兵隊である。
幼いころに母を亡くし、一人で苦労して生きてきた人物である。
そんな彼にとって、三度の飯が出て、風呂にも入れると言う軍隊はまさに天国であった。
年は明け、また新しい兵がヤマショーの属す隊に配属された。
その中に元教師(藤山寛美)がおり、中隊長(加藤嘉)の命令でヤマショーは彼から字を習うことになる。
やがてヤマショーの任期も終わりに近づくが、隊を出たくないヤマショーは天皇陛下に嘆願の手紙を書こうとする。
希代の喜劇役者渥美清の名作です。
上記の粗筋はまだ半分といったところで、
後の「男はつらいよ」につながるような、色恋沙汰もまた含まれております。
笑いが基調でありますが、その中にある、男のわびしさ切なさがまた涙をそそります。