中華団欒作戦

ラーメンをスープから自作することは80年代に最初に行われた。
当時、伊丹十三監督の映画「タンポポ」に俺は感動していた。
「タンポポ」のパンフレットに映画で出てくるラーメンの作り方があった。
試してみた。
高校3年になろうかという春休みの頃の話だ。
それから幾星霜。
俺も大人になった。
2003年の夏の休暇中に、合成着色料、合成調味料を使用しないラーメンの製作を思い立った。
当時、俺は醤油に凝っていた。
脱脂加工大豆をソルビン酸で味付けしたのが現在の醤油の大半だ。
これに憂い、酒なら純米酒とも言うべき純大豆醤油を探していた。
話を変える。
俺は大学を東京で過ごしたせいもあってか、東京風醤油ラーメン派である。
昨今、東京でも豚骨ラーメンが流行しているようだが、反対だ!
俺の住む町でも醤油ラーメンのうまいのは、ない!
そこで、2003年の夏休み工作でラーメンを自作した。
結論から言うと、スープづくりに失敗した。
材料がなぜか、手羽先端部分しか入手できず水っぽいスープになったのだ。
そのかわりチャーシューはほぼ満足行く結果だった。
さて、昨日2004年5月18日。
俺は再挑戦した。
メーカーオプション(=妻)が鶏ガラを買ってきたのだ。
今回の作戦では、新潮文庫「ショージ君の料理大好き」を参考にした。
食べ物に造詣の深い東海林さだお氏の料理体験本だ。
スープ造りのコツは
1.下茹でを15分〜20分すること。
2.鍋には蓋をしてはいけない。
この2点である。
本で東海林氏も「そんなに下茹でしたらダシが出ちゃうんじゃないの?」
という不安を述べておられたが、料理人曰く、それでいいとのこと。
本と違うのは、本ではチャーシューを煮豚で作る。
これはチャーシューとは正確には言わない。
焼かねばならない。
俺は200gの豚バラブロックを購入し、たれを作成し、炭火で焼くことにした。
前回もこの作戦で行ったが、炭火を熾しすぎて、ブタの脂がたれて焦がした。
今回はチロチロの炭火にした。
深鍋にスープを仕込み、ことこと煮る。
この間に、外に出てチャーシュー製作に取りかかる。
ウィスキーを片手に、たれを付けてはひっくり返しの繰り返し。
ウィスキーがまだいっぱいあるな。この写真では。
しかし、さすがに豚バラ。脂肪のかたまりである。
炭火に油が落ちると着火してしまう。
丹念に内輪であおぎ、鎮火。
つきっきりでないと出来ない仕事だ。
途中で英会話教室の姉ちゃんが営業にきやがったので、その時に少し焦がしてしまった。
焦がした部分はペティナイフで刮ぎ取りまた、タレをかけて焼く。
スープもあまり濁らずに、16時より開始した作戦は19時に完了。
5リッターのスープは3リッターくらいに煮詰まった。
醤油タレは今回、チャーシュー用のタレにチャーシューの脂身を加え、煮詰めて作った。
出来上がりである。
既製品を使用したのはノリ、メンマ、緬である。
写真が小さいのはサーバー容量の問題だ。
まずまずの出来映えではあったが、反省点もある。
鶏ガラ1羽ではまだ水っぽいのだ。
この夜はメーカーオプション(=妻)達も喜んだ。
勝利の美酒に酔った。
ウィスキーを殆ど開けてしまった。
たまにはいいじゃん!