■スカイトレイン(モノレール)
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ダウンタウンとバンクーバー近郊を結ぶスカイトレインは、完全自動制御の無人電車。計20の駅があり、眺めの良い高架上を29キロ(18マイル)に渡り運行している。全ての駅にエレベーターを完備し、各車両には車いす用のスペースを確保している。殆どの駅にバスが乗り入れ、ダウンタウンのウォーターフロント駅ではシーバスに接続している。スカイトレインは毎日、2分から5分おきの運行。驚くほど短い間隔で次の車両がやってくる。
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このスカイトレインが登場したのは1986年のこと。バンクーバーで開催された万博"世界交通博"にあわせて作られた交通システム。
乗車して一番驚いたのは、ホームと車両の間に段差が全くないこと。
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そしてホームと車両の隙間は、わずか4〜5センチの間隔に抑えられているから、車いすの前輪が埋まりこむ心配は全くない。ゆえに、車いすの操作が出来れば、他人の手伝いがなくても、自由にアクセスできる。日本はどうなっているのか!?
■シーバス(渡船・水上バス)
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シーバスは、車いすの乗降が可能な乗客専用のフェリーサービスで、ダウンタウンのウォーターフロント駅とノース・ショアのロンズデール・キーを結んでいる。12分かけて素晴らしい風景の湾を渡る。この様な水上バス・システムは世界でも例を見ず、自転車の持ち込みも可能であるらしい。
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シーバスの乗船口。手前が船着場の建物、瀬渡し通路を挟んで、船体。潮の干満にあわせて、瀬渡し通路の勾配の変化は多少あるが、車いすでの移動には全く問題がない完全なバリアフリーな状態。
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ピストン運転のため、乗船口と下船口は、向かい合わせで、一方通行になっている。スカイトレインと同様に、誰の手も借りずに乗り降りできる。スタッフは何も声をかけない。ここでは特別ではなく、日常の光景なのだ。
シーバス内の車いすスペース表示。窓際にゆったりと設置。
シーバスは揺れもなく快適!
■市バス
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バンクーバーで最初にリフト付きのバスが運行されたのは1990年とのこと。カナダの都市の中で最も早かったらしい。
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少し見えにくいが、車両前面窓の左端に"車いす乗車サービス"とのプレートが大きく貼られている、これがアクセシブルなバスの印。2006年までに、バンクーバー・エリアの全バス&全ルートがアクセシブルになる予定らしい。今回見た(走っていた)殆どのバスが既にそうだったが、徹底が本当にすごい!
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車いすのまま乗り込めるバスが停まるバス停には、サービスマークが表示されている。実際乗り込むには、自動スロープの準備、乗り込み、スロープ格納という具合に多少の時間を要すが、文句を言う客などいなかった。
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バンクーバーのバスは、前から乗り最初に料金を払うシステム。アクセシブルなバスは乗降口のステップ自体がスロープになっている。
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ドライバーが車内からボタンを押せば、自動的にスロープが出てくる。ステップは低く、手すりも付いているので誰にもやさしく安全な設計。
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ドライバーが車いす優先席に行って、シートを上げ、スペースを作り、ベルトでしっかり固定くれる。車内前方部(運転席うしろ)が車いす2台分のスペース。通路は広い。
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巨大なショッピングモール・メトロタウン内のバス停にて。
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