被爆二世集団訴訟 被告国側が反論を陳述被爆二世に対する立法義務を基礎づける十分な科学的根拠があることを主張 ─ 被爆二世集団訴訟 長崎 第3回口頭弁論 ─ |
事前集会でコメントする中鋪弁護士(右端) |
2月6日(火)14時30分から、被爆二世の援護を求める集団訴訟の長崎地裁における第3回口頭弁論が行われました。被告国は、2017年5月29日に答弁書を提出し、私たちの請求をいずれも棄却することを求め、9月19日に「第1準備書面」を提出し、「親が原子爆弾の放射能に被爆したことによって被爆二世が発がんリスク増加などの遺伝的影響を受けることは科学的に証明がなされておらず、被爆二世が親の放射線被曝による遺伝的影響を受けることを前提とする原告らの主張は明らかに前提を欠き、失当である」と主張しました。これに対して、原告側は今年1月18日に「原告ら準備書面1」を提出し、第3回口頭弁論では、その内容を陳述しました。それに対して、被告国側は反論を提出するのに4ヵ月は必要として、次回口頭弁論は6月19日(火)14時15分から行われることになりました。 「原告ら準備書面1」では、次のように主張しています。「ヒトと同じ哺乳動物を用いた実験において、放射線被曝による遺伝的(継世代)影響が科学的に証明されており、ヒトについても遺伝的(継世代)影響を示唆する結果が得られている以上、人間についても同様に影響があると当然に推論できるのであり、被爆二世に対する立法義務を基礎づける十分な科学的根拠があるというべきである。」「(被爆者援護)法前文においては次のように規定されている。「国の責任において、原子爆弾の投下の結果として生じた放射能に起因する健康被害が他の戦争被害とは異なる特殊の被害であることにかんがみ、・・・被爆者に対する・・・総合的な援護対策を講じ、・・・この法律を制定する。」その上で、・・・(被爆者援護)法の(3号被爆者の)規定は「原子爆弾が投下された際又はその後において、身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった」人たちが対象とされている。ここで重要なのは、対象とされている人たちの「健康被害」が「原子爆弾の放射能の影響」によるものであるとの因果関係の存在が必ずしも前提とされているのではない、という点である。・・・被爆二世に関して、・・・少なくとも「身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情」が存在することは明らかなところである。にもかかわらず、この点を全く無視して、ただ「被爆二世に放射線による健康への影響について科学的な証明がなされていない」として援護の対象とすることを否定しようとする被告の主張は、被爆者援護法の基本的な趣旨を全く理解しないものといわねばならない。」 これからいよいよ本格的な論戦が行われることになります。この集団訴訟が、すべての被爆二世を援護の対象とする国による立法的措置の契機となるよう最後までたたかい抜いていきたいと思います。皆さんのご理解とご支援、ご協力をお願いします。 全国被爆二世団体連絡協議会会長 被爆二世集団訴訟原告団長 崎山 昇 |
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