国会は、被爆二世を援護法の対象と定める立法措置を執る義務を負っている ─ 被爆二世集団訴訟 長崎 第8回口頭弁論 ─ |
2019年9月10日(火)「原爆被爆二世の援護を求める集団訴訟」の第8回口頭弁論が14 時から長崎地裁で行われました。今回も14時30分から被爆体験者訴訟の口頭弁論が予定されていましたので,一緒に事前集会を行い,その後,それぞれ入廷し,互いの口頭弁論を傍聴しました。 第8回口頭弁論では,原告側・弁護団長の在間秀和弁護士が8月27日に提出した「原告ら準備書面5」を陳述し,その趣旨を口頭で説明しました。「原告ら準備書面5」では,次のような主張をしています。 被爆二世の抱く健康不安は,親の原爆被爆が原因であり,原爆投下が,国の戦争遂行の結果であることは明らかである。被爆二世の健康不安の根源は国の行為にある。にもかかわらず国は,これまで被爆二世の健康不安を十分認識しながら,それを払拭する努力を怠り続けてきた。被爆二世の抱く健康不安は,根源的に国の行為に端を発するにもかかわらず国に放置されてきたという意味においても,一般的な健康不安とは質的に異なっている。そして,放射線の遺伝的(継世代的)影響を否定できないという科学的帰結によって裏付けられてきた。被爆二世が国の援護を受ける権利は,憲法13条,憲法14条1項によって保障される権利である。したがって,国会は,「第五の被爆者」として,被爆二世を被爆者援護法の適用対象と定め,援護法1条が定める「被爆者」に被爆二世を含めるよう法改正を行うなど立法義務を負う。現時点においては,国会の立法義務は果たされておらず,この立法不作為は憲法違反である。また,立法不作為の違法性の判断基準に照らして,国会議員によるかかる立法不作為は,国家賠償法1条1項の規定の適用上,違法である。 これまで原告側は被告国側の反論に対して,反論を行ってきましたが,それに対して,被告国側は,「反論の予定はない」と答弁しました。勝訴を確信し,議論に深入りすることを避けているのでしょうか。原告側の総論としての主張は一応終了し,今後は,原告の陳述書を提出し,個別の議論を行っていきます。裁判官に被爆二世を救済しなければならない存在として認識させることが極めて重要になります。 次回,口頭弁論は2020年1月21日(火)14時からです。引き続きご支援とご協力をお願いします。 (文責:全国被爆二世団体連絡協議会会長,原告団長 崎山 昇) |
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