不当判決 原爆被爆二世の援護に道拓こう − 長崎における被爆二世集団訴訟不当判決 − |
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12月12日(月)10時から長崎地方裁判所において、「原爆被爆二世の援護を求める集団訴訟」の歴史的な判決が言い渡された。天川博義裁判長は「原告らの請求を棄却する。・・・」と主文を読み上げ、立ち去った。不当判決の主な内容は以下の通り。 「被爆者援護法は、原爆の放射能により健康被害を生ずる可能性がある者についても、これを援護の対象とする趣旨であると解されるところ、可能性があるにとどまる者について援護の対象とすることは、・・・広い意味の国家補償ないし社会保障法的見地に由来するものと解される。そして、原爆の放射線による影響が未解明な中で、その援護の対象を定め、外延を画することは、この点に関する高度に専門的技術的な知見を基礎としつつ、・・・援護法の趣旨を踏まえた総合的政策的判断を要するというべきである。」「被爆者援護法1条3号の「被爆者」は、その身体に直接被爆した原爆の放射能により健康被害が生ずる可能性がある事情の下に置かれていた者をいうと解されるのに対し、被爆二世については、その身体に直接原爆の放射能を被曝したという事情は認められず、原爆の放射線による遺伝的(継世代)影響については、その可能性を否定できないというにとどまる。このような両者の差異に照らすと、・・・援護法の趣旨を拡充して、被爆二世を援護の対象に加えるか否かや、その場合の援護の在り方等については、・・・立法府の総合的政策的判断を要する合理的な裁量的判断に委ねられているというべきであり、被爆二世を援護法の被爆者に含めず、同法による援護の対象としないことが、合理的理由のない差別的取り扱いに当たるとは認められない。」「・・・以上のとおり、被爆二世に対する立法不作為は、違憲(憲法14条違反)であるということはできず、・・・国賠法1条1項の規定の適用上、違法の評価を受けるものではない。」 不当判決ではあったが、さすがに天川裁判長も、「原爆放射線の遺伝的影響の可能性は否定できない」ということを否定することはできなかった。政府が受け入れた黒い雨・広島高裁判決では、「原爆の放射能により健康被害が生ずることを否定することができない事情の下に置かれていた者」を被爆者と認めた。その判決に従えば被爆二世も援護法の対象となるべきことは明らかである。しかし、天川裁判長は、国側の主張にそった判断を下した。 私たちは、原爆放射線の遺伝的影響は否定できないことを認めた今回の歴史的判決を踏まえ、被爆二世の援護に道を拓くよう頑張っていく決意を新たにした。 そして、12月14日、控訴することを決定した。 |
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(全国被爆二世団体連絡協議会会長、被爆二世集団訴訟原告団長 崎山昇) | |
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