活動報告

被爆二世への法的援護は喫緊の課題、市・県は考え方を変え国へ要望を
− 「被爆二世・三世に関する申し入れ」に対する長崎市・県との回答交渉 −
 長崎県被爆二世の会(県二世の会)、長崎県被爆者手帳友の会(被爆二世・三世部会)、長崎被爆二世の会は、10月14日(木)長崎市・長崎県と「被爆二世・三世に関する申し入れ(4月22日提出)」に対する回答交渉を行いました。

 長崎市の前田原爆被爆対策部長と、13時30分から、長崎中央公民館第2研修室で交渉を行いました。
 冒頭、長崎市から、6月から配布を開始した「健康記録簿」の効果について、6月〜8月の新規申込者が増えていて受診者の増加に効果があっているとの検証結果が報告されたことから、受診者が増えた場合受診できない者がでないように予算措置を講じることを確認しました。
 また、「原援協(長崎原子爆弾被爆者援護強化対策協議会)」においては、「健康診断検査基準額の見直しによる精密検査の充実を要望している」との回答があったことから、「基準額の見直し」が私たち被爆二世の会が求めている内容(被爆者検診と同額とすること)と同じであることを確認しました。その上で、「原援協」の要求、すなわち、「ガン検診の実施」、「被爆二世健診の基準単価の見直し」、「在外被爆二世への国内の被爆二世と同様な健康診断」に対する国の回答を質しました。それに対して、長崎市は、厚生労働省健康局長、原子爆弾被爆者対策室長がオンラインで対応したが、「ガン検診の実施は困難である」との回答だったこと、「基準単価の見直し」「在外被爆二世の健診」については言及がなかったことを明らかにしました。
 そして、被爆二世健診を被爆三世も受診できるようにすることという要望に対して、「国の実施要綱に規定がなく実施は困難である」との回答に対して、親である被爆二世の立場から、健康不安をもち希望する被爆三世が受診できるように国に要望するよう強く求めました。
 最後に、被爆二世も高齢化し(最高齢75歳)多くの被爆二世がガンで亡くなったり、ガンと闘っている状況を踏まえ、被爆二世に対する法的援護(被爆者援護法の適用)は喫緊の課題であり、黒い雨裁判の広島高裁判決が確定したこの機に、長崎市としても、これまで国に対して法的援護を求めてこなかった考え方を変え、法的援護を国に要望することを強く求めました。また、長崎市長が、年に一度、私たちの要望を聞く会を定例化してよいのではないかと、市長本人が直接会って話を聞く機会を設けることを求めました。部長は「要望として受け止める」と回答しました。

 その後、長崎県の山崎原爆被爆者援護課長と、15時30分から、県庁305会議室で交渉を行いました。
 県に対しても、「健康記録簿」の配布に伴い被爆二世健診受診者が増加した場合、受診できない被爆二世が出ないように予算措置を求めました。また、八者協(広島・長崎原爆被爆者援護対策促進協議会)の要望(被爆二世の健康診断内容等の充実)のうち、「委託単価の改善」については私たち二世の会が求めている内容と同じであることを確認した上で、国の回答を質しました。それに対して課長は、7月9日に県福祉保健部長と自身が厚生労働省健康局長、原子爆弾被爆者対策室長と会ったこと、被爆二世健診の充実について、「遺伝的影響があるとの調査結果が得られていない中、ガン検診の追加は困難。健康不安解消のため本事業は実施していきたい」との回答があったが、「委託単価の改善」などについては言及がなかったことを明らかにしました。そして、国に要望していない「被爆三世の受診」や「在外被爆二世の健診」についても県として国に要望することを強く求めました。最後に、県としての考え方を変更し被爆二世への法的援護を国に要望すること、知事本人が直接会って話を聞くことを強く求めました。
(文責:長崎県被爆二世の会事務局長 崎山昇)
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