活動報告

長崎市・長崎県へ被爆二世・三世に関する申し入れ
長崎県被爆二世の会 事務局長 崎山昇
 長崎県被爆二世の会は、長崎県被爆者手帳友の会、長崎被爆二世の会とともに、2022年4月18日(月)長崎市・長崎県に対して、「被爆二世・三世に関する申し入れ」を行い、法的援護を国に要望すること、実態調査の実施、市長や知事との面会などを強く求めました。

 まず、13時30分から長崎市議会第2会議室で、長崎市の前田原爆対策部長に対して、「申し入れ」を手交し、交渉を行いました。はじめに私たちから、以下のとおり重点課題について説明しました。
  • 1 国家補償に基づく被爆者援護法に法改正し、被爆二世・三世を五号被爆者として位置づけるなど被爆者援護違法を被爆二世・三世にも適用することを国に強く働きかけること。これまで長崎市は法的援護について国に要望してこなかったが、被爆二世も高齢化し、ガンとたたかいながら生活している二世もおり、これまでにも多くの二世がガンなどでなくなってきている。被爆二世に対する法的援護は喫緊の課題である。被爆二世集団訴訟が7月に弁論が終結し年内判決という状況もあり、また黒い雨の広島高裁判決を政府が受け入れたこともあり、この機に、原爆放射線の遺伝的影響を否定できない被爆二世に対する法的援護を市としても国に要望してもらいたい。
  • 2 市独自の措置として以下のことを実施すること。
  • (1)被爆二世・三世の生活と健康についての実態調査を実施すること。被爆二世が何人いるか、どういう状況に置かれているかなど実態を把握することが施策を検討したり、国に要望するに当たっての基本である。ぜひ実施を。
  • (2) 被爆二世健康記録簿は今年度から発行されるものの法的援護にはつながらないことから、「被爆者援護
  • 法」による対策を被爆二世・三世に対しても適用し、「被爆二世・三世健康手帳」(仮称)を交付すること。
  • (3) 被爆二世健康診断で要精密検査となった場合、再検査及び治療にかかる費用は市負担とすること。また、
  • 二世検診の基準単価(上限額)は今年度9260円と被爆者健診の基準額に比べて低く、一般検査を受けると999円しか残らず、これでは精密検査は受けられない。被爆者健診並みに基準単価の増額を国に求めること。
  • (4) ガン検診を希望者へ実施すること。被爆二世はガンに対する不安を持っている。早期発見が重要。
  • (5) 希望する被爆三世も受診できるようにすること。健康不安を持っている被爆三世もいるし、親である比
  • 被爆二世として要望する。市としてできないのであれば、国へ要望すること。
  • 3 在外被爆二世も居住国で日本の被爆二世と同様な健康診断が受診できるように国へ要望すること。
  • 4 長崎市長が、年に一度、私たちの要望を聞く会を定例化してよいのではないかと、市長本人が直接会って話を聞く機会を設けることを求めていたが、どうか。
 それに対して、部長は「これまでに国へ要望したものもある。市が必要だと思ったものについては今後とも県や原援協とも連携し要望していきたい」「10月に文書で回答する」と回答しました。また、市長との直接面会については「市長は原対部としてしっかり対応してくれということなので、原対部としてしっかり対応したい」と答えました。
 それを受けて、私たちは、@まず市として何ができるかというのを検討すること、A当事者である私たちが必要だと要求しているのだから、市としてできないものは国へ要望すること、B被爆二世に対する法的援護は喫緊の課題であり、今年は重要な年であることから、田上市長との直接面会、を強く求めました。
 なお、昨年6月から「被爆二世健康記録簿」を配布したことによる受診者の状況について、現時点での速報値、昨年度の被爆二世健診受診者が3830人(前年度比301人増)だったことが報告されました。正式な報告は10月に行うとのことでした。

 その後、15時30分から県庁309会議室で、4月から新しく着任した長崎県の犬塚原爆被爆者援護課長に対して「申し入れ」を手交し、交渉を行いました。課長に対して、市と同様に、重点課題について、上記1、2、3の要求内容を説明しましたが、課長からは「本来国がすべきことなので、要望すべきところは要望したい」と回答がありました。それに対して、@県として何ができるかということについて検討すること、Aできないものは国へ要望すること、B被爆二世に対する法的援護は喫緊の課題であり、今年は重要な年であることから、大石新知事との直接面会、を求めました。
 なお、被爆二世健診受診者の状況について、速報値で昨年度約700人(前年度502人)だったこと、「被爆二世健康記録簿」の配布状況について、12月段階で320部配布(1500部印刷)したことが報告されました。
新聞記事

朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASQ4L72XTQ4LTOLB002.html

KTNテレビ長崎
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef6ce677137c83f8da02a0a679aabc7ac96bcdb7


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