活動報告

被爆者援護法の被爆二世に対する適用は喫緊の課題
− 「被爆二世・三世に関する申し入れ」に対する長崎市・長崎県との回答交渉 −
 長崎県被爆二世の会では、10月27日、長崎県被爆者手帳友の会、長崎被爆二世の会とともに、今年4月18日に長崎市長へ提出した「被爆二世・三世に関する申し入れ」に対する回答交渉を長崎市の前田原爆対策部長と行いました。
まず初めに、長崎市独自の措置として求めている重点5項目(@生活と健康についての実態調査、A健康診断の充実(ガン検診の追加)、B医療の措置(再検査及び治療にかかる費用負担)、C「被爆二世健康手帳(仮称)」の発行、D健康診断の被爆三世への受診拡大)について、部長は「被爆二世・三世対策は、被爆者対策と同様に国の責任でなされるべきであると考えているので、市が独自に実施するのは困難である」と回答。
また、国に要望している、@、A、B(基準単価の見直し)及び「在外被爆二世も居住国で日本の被爆二世同様の被爆二世健診を受診できるようにすること」について、国の回答を質したところ、Aガン検診の追加については、「科学的知見がなく困難」との回答だったが、その他については言及がなかったと回答しました。
 県二世の会としては、国が放置しているから何もしないということではなく、被爆都市として何ができるかを検討すること、検討した結果、長崎市としてできないということであれば、国に対して要望することを求めました。D健康診断の被爆三世への受診拡大については、国に対して要望すらしていないことから、理由を質しました。「まず被爆二世から」と前田部長は回答しましたが、子どもである被爆三世の健康に対して不安を持つ親である被爆二世の立場からの要求であること、被爆三世も健康不安解消のために被爆二世健診が始まった当時の年齢以上に達し、健康に不安を持つ被爆三世もいることから、希望する被爆三世が受診できるように、長崎市としてできないのであれば国へ要望することを強く求めました。
続いて、県二世の会では、多くの被爆二世がガンで亡くなっていくなか、被爆者援護法の被爆二世への適用は喫緊の課題であると主張し、被爆者援護法の被爆二世への適用を国へ働きかけることを強く要望しました。前田部長は「要望するためには、原爆放射線の身体的及び遺伝的影響に係る科学的知見が得られることが必要である」と要望しないとの考えを示しました。それに対して、被爆二世は遺伝的影響が否定できない状況に置かれていること、被爆都市として被爆二世の置かれた状況を十分理解した上で、私たちの立場に立って要望することを求めました。また、12月12日には被爆二世集団訴訟の判決が予定されていることから、判決の内容によっては、立法的措置を国に働きかけること、判決内容を共有し今後の対応を協議するため面会の場を設定することを求めましたが、前田部長は事務的に協議することを約束しました。

 その後、県二世の会をはじめ3団体では、長崎県の犬束被爆者援護課長と「被爆二世・三世に関する申し入れ」に対する回答交渉を行いました。
 重点5項目については、長崎市同様に「県が独自で行うのは困難である」との回答であり、県の要望に対する国の回答についても、長崎市からの回答と同様の内容でした。ただ、「在外被爆二世の居住国での二世健診の受診」について、今年度、県の政府施策要望で要望したことが明らかになりました。
 県二世の会としては、国が放置しているから何もしないということではなく、被爆県として何ができるかを検討すること、検討した結果、長崎県としてできないということであれば、「健康診断の被爆三世への受診拡大」を含めて国に対して要望することを求めました。さらに、多くの被爆二世がガンで亡くなっていくなか、被爆者援護法の被爆二世への適用は喫緊の課題であると主張し、被爆者援護法の被爆二世への適用を国へ働きかけることを強く要望しました。そして、12月12日には被爆二世集団訴訟の判決が予定されていることから、判決の内容によっては、立法的措置を国に働きかけること、判決内容を共有し今後の対応を協議するため面会の場を設定することを求めましたが、犬束課長は「内容によって検討する」と回答しました。
 最後に、新しい知事と直接会って話をする場の設定を求め、犬束課長は知事に伝えることを約束しました。

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