活動報告

「世界に伝わる原爆展示を求める長崎市民の会」結成集会
 8月22日18時から長崎地区労働者福祉会館5階講堂で「世界に伝わる原爆展示を求める長崎市民の会」結成集会が開催されました。
 長崎市は被爆80年に向けて長崎原爆資料館の原爆投下に至る戦争の歴史展示の修正を検討しています。ことの発端は、4年前、保守的な市議会議員が、「南京大虐殺事件おこる」という年表の記述について南京大虐殺はなかったとして市側に訂正を求めたことです。これを受けて長崎市は、長崎原爆資料館運営審議会で展示の見直しについて議論してきました。今年度展示更新の「基本計画」が策定されることになっています。運営審議会を巡っては公募委員として侵略など加害の歴史展示の必要性を主張した被爆二世平野伸人さんが、今年度の公募委員に再び応募したものの長崎市の審査の結果、選ばれませんでした。加害展示の必要性を説く平野さんを排除したのではかとの疑念を抱かせます。
 原爆資料館での加害の展示が保守的な団体や議員の圧力によって修正され、原爆の被害だけを展示すると原爆資料館を訪れるアジアをはじめ世界の人々の反発を招き、核兵器廃絶の訴えは理解されないでしょう。核兵器廃絶を求める国際世論を形成する障害となる恐れもあります。また、原爆資料館を訪れる日本の若者に戦争の歴史を正しく伝えなければアジアや世界の人々の歴史認識とギャップが生じ、相互理解と友好、信頼を深めることが困難になると思われます。
 このため、21団体が結集し、「世界に伝わる原爆展示を求める長崎市民の会」を結成することになりました。県二世の会も参加することになりました。今後は、長崎市に対して原爆投下による被害の実相と投下へ至る歴史などを正しく展示するよう要請するとともに、平野さんの公募委員選考の不当性を明らかにし、選考をやり直すか、追加採用するよう求めていくことを確認しました。
 結成集会では、京都府立大学名誉教授・福知山公立大学名誉学長井口和起さんが「戦後80年・被爆80年を目前に戦争の歴史・体験を語り継ぐために−国際都市:長崎市と市民のみなさまへの期待−」と題して講演を行いました。その中で「歴史の無視は、他者の「被害」「苦しみ」への「共感」を妨げる。「戦禍」への相互理解を促進して、戦争(戦時)のあらゆる「狂気」が平時にも続く事態を克服していく「場」となる資料館の建設を期待する。」と語られました。


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