活動報告

内閣総理大臣 岸田文雄 様
東京電力ホールディングス代表執行役社長 小早川智明 様
東京電力福島第一原発からの
放射能汚染水(ALPS処理水)の海洋放出の即時中止を求める決議
 日本政府・東京電力は、8月24日、事故を起こした東京電力福島第一原発の敷地内にたまり続ける高濃度のトリチウムと60種以上の放射性核種を含む放射能汚染水(ALPS処理水)を海水で希釈して海洋放出を開始しました。今後30年以上続けることを表明しています。「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わず、陸上保管する」との福島県や全国漁連との約束を反故にし、漁業関係者や多くの国民、太平洋諸国や韓国、中国など国際社会からの反対や懸念の声を押し切って実施したことを決して容認できません。
 日本政府・東京電力は、7月4日の国際原子力機関(IAEA)の「包括報告書」を安全性の「科学的根拠」として、「人体への影響は無視できる」と、「汚染水」を「処理水」という言葉で欺くことで安全性を強調し、風評被害に矮小化しようとしています。IAEAは、「ALPS処理水」の海洋放出は「日本政府の責任」であり、「その政策を推奨したり支持したりするものではない」としています。また、原発事故でメルトダウンした燃料デブリに直接触れた水を「処理」し、長期にわたって海洋放出するという処分は世界でも前例がなく、将来にわたって生態系や人々の健康に影響がないという科学的保証は全くありません。ロンドン条約・議定書では、放射性廃棄物の海洋投棄は「種類、形状または性状によらず全面禁止」されています。放射性廃棄物の海洋投棄による生態系や人々への影響について「有害な影響はない」との科学的証明ができていないからです。そして、低線量・低線量率の被ばくの直接的な疫学調査の蓄積、苦しんで亡くなっていった広島・長崎の原爆被爆者の疫学調査の更新は、「直線しきい値なし(LNT)線量−影響関係」モデルを強く支持しています。低い線量であっても人体への影響の可能性は否定できません。日本政府や東京電力が言うように風評被害にはとどまらないのです。
 福島県及び全国漁連は、海洋放出に対して「反対の姿勢は変わらない」と表明しています。福島県の漁業者は「海は私たちの仕事場。命と生活の源」などと強い怒りを持って訴えています。また、太平洋諸島の人々は、「太平洋諸島の人々の命と生活を脅かすもの」「太平洋は歴史的に、核実験場として使われてきた。また太平洋を核廃棄物のゴミ捨て場にするべきではない」と訴え、海洋放出(投棄)に強く反対し、「それに代わる適切な方策の検討」を求めています。日本政府・東京電力は、海洋放出ありきで、陸上保管の継続や部分的固化埋設との組み合わせなど他の代替案の検討は一切行ってきませんでした。太平洋を核のゴミ捨て場にしてはなりません。日本政府・東京電力は、事故を起こした自らの責任を果たすべきです。
 私たちは、フクシマをはじめ国内外で海洋放出に反対や懸念を表明しているすべての人々に連帯し、被爆地長崎から、放射能汚染を拡大しないために、日本政府・東京電力に対して、放射能汚染水の海洋放出の即時中止を求めるとともに、陸上で保管し責任をもって管理することを求めます。

2023年9月26日 
長崎県平和運動センター、原水禁長崎県民会議、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会、
長崎県被爆二世の会、福島と長崎をむすぶ会
東京電力福島第一原発からの放射能汚染水の海洋放出の即時中止を求める長崎集会 参加者一同

 長崎県二世の会の
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