活動報告

長崎市・長崎県への被爆二世・三世に関する申し入れ
 長崎県被爆二世の会は、長崎県被爆者手帳友の会、長崎被爆二世の会とともに、今年5月14日長崎市・長崎県に対して、「被爆二世・三世に関する申し入れ」を行い、被爆者援護法の適用を国に働きかけること、生活と健康についての実態調査の実施、市長や知事との面会などを強く求めました。

 (長崎市の阿波村原爆対策部長との交渉)
 13時30分から長崎市役所5階第3委員会室で阿波村原爆対策部長に「申し入れ」と「公開質問状に対する回答の履行と再面会を求めます」という鈴木市長あての要請書を手交し交渉を行いました。
 交渉では「被爆二世集団訴訟について、長崎地裁判決、福岡高裁判決でも、請求は退けられたが、遺伝的影響の可能性があることは否定されていない。政府が上告しなかった、受け入れた黒い雨広島高裁判決は、3号被爆者の意義について「原爆の放射能により健康被害を生ずることを否定することができない事情の下に置かれていた者」と解されると判示した。そして、「被爆二世を援護の対象に加えるか否かや、その場合の援護の在り方等については、・・・立法府の総合的政策的判断を要する合理的な裁量的判断に委ねられているというべきである」という判断を示している。被爆二世を被爆者援護法の援護の対象に加えることを否定していない。長崎市として私たち二世が置かれている状況を受け止めて、国に要望すべきである。」「2023年5月18日被爆体験者の問題や被爆二世の問題など残された被爆者問題の政治的解決をめざすことを目的とする「被爆者問題議員懇談会」が、長崎・広島の国会議員をはじめ40人の衆参国会議員で設立された。総会も含め4回の懇談会が国会議員会館で開催され、4月1日には被爆体験者協議会・全国被爆二世団体連絡協議会・被爆者問題議員懇談会『意見交換会in長崎』が開催された。そして、5月29日には院内学習会が開催される。国会議員へも要望すべきである。」と、昨年丸尾会長が亡くなり、今年野口副会長が亡くなっており、被爆二世への援護法の適用は喫緊の課題であると、被爆二世への被爆者援護法の適用を国や国会に対して要望することを強く求めました。また、鈴木市長が市長選前に長崎県被爆二世の会が行った公開質問状への回答において、被爆者援護法を被爆二世・三世にも適用することを国に強く「働きかける」、生活と健康についての実態調査を「実施する」と回答したことを踏まえ、回答は市民に対する公約であり、回答の履行と再面会を要請しました。
 さらに、長崎市独自の援護対策として重点課題5項目を求めていることを改めて説明しました。@生活と健康についての実態調査、A健康診断の充実(ガン検診の追加):被爆者同様の健診を、B医療措置(再検査及び治療にかかる費用負担):基準単価の見直しなど、C被爆者援護法による対策を被爆二世・三世に対しても適用し、「被爆二世健康手帳」(仮称)の発行、D健康診断の被爆三世への受診拡大。また、在外被爆二世も居住国で日本の被爆二世同様の被爆二世健診を受診できるように、国へ働きかけることを求めました。
 部長は「被爆二世への援護法の適用については遺伝的影響があるとの科学的知見がなければ要望できない」「国に働きかける項目については整理したい」「訴訟については係争中であり推移を見たい」などと回答しましたが、それに対して、@鈴木市長に対して公開質問状の回答の履行と再面会求めること、A被爆者援護法の被爆二世への適用を国や国会へ強く働きかけること、B独自の措置については市として何ができるかを検討し、できないものは国へ要望することを強く申し入れました。

 (長崎県の林田被爆者援護課長との交渉)
 15時30分から県庁312会議室で林田被爆者援護課長と交渉を行いました。
交渉では、長崎市との交渉と同様に現在の状況を説明し、丸尾会長や野口副会長が亡くなったことを重く受け止め、被爆二世に対する援護法の適用は喫緊の課題であり、国に対して強く働きかけることや「生活と健康についての実態調査」など県独自の援護対策として求めている重点課題5項目、知事との面会などについても要望しました。
 課長は、「支援策は原則県独自の施策は難しい。本来国の責任で実施されるべき」「被爆者援護法の適用を国に県が要望するには科学的知見が必要である」「知事との面会は従来通り難しい」とこれまでどおりの考え方を示しましたが、それに対して私たちは、現在の状況、黒い雨・広島高裁判決を踏まえて、被爆二世が置かれた状況を理解し、県の考え方を変えることができる時期に来ているのではないかと指摘し、知事との面会も改めて求めました。

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