2004秋
 今年の松茸も、去年と同様全くの不作となった。今年は日本中が
台風による大雨と強風により災害を受けた。当地も、おおいに雨が
降り風も吹き荒れたのでこんどこそは豊作だろうと思ったのだが、
我が山の地域一帯は、松の枯死が大変ひどくそれどころの話では
なかった。ただ、同じ徳地町内でも、まだ、松が枯れていない地域では
豊作だったらしい。我が山は既に松がほとんど枯れてしまったために、
その根に寄生する松茸菌も生きていけなくなったものと思われる。
ほんの少々出るところがあるが、その周りには松は全くなく、不思議に
思っていたがずっと離れた上方にまだ生きた松が残っていた。
この影響かなと考えているがいずれにしても、この場所も遠からず
枯死の運命に有るものと思われる。             

 それにしても、山の荒れ様はひどいものがある。松枯れに加え、
今回の台風による強風は、枯れた松の表面をすべて吹き飛ばし、
山々は無数の枯れた松の棒を緑の山肌に突き刺している様な状態に
なっている。それと同時に、人工林の杉、檜といった針葉樹だけでなく、
自然林の広葉樹も、特に折れそうもない大木があちこちで折れている。
あまりの強風に、しなることができず根こそぎ倒れたり途中から
バリバリバリと折れたのだろう。また、木々の枯れたり折れるべくして
折れた枝という枝が全て吹き飛ばされて、これらが地面や山道の至る所に
散乱しており、松茸を採りに登っていくのも倒木の下をくぐったり上を
はいあがったりと一苦労であった。

 今年の秋は、熊が全国各地で人里に出没したが、さもありなんという
山の荒れようなのである。恐らく、食料となるドングリなどの木の実、栗、柿
などが、倒木や強風により、加えて今年はこうした生り物が不作であった
ために、口に入らなくなったものと思われる。
     
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