04.06 イモリ(井守)とヤモリ(家守)
娘にウナギ釣りの餌にするためドジョウ捕りを頼んだところ、イモリを2匹捕まえてきた。
最近はついぞ見たこともなく珍しいので、どこで捕まえたのかと聞くと、すぐ近くの溝だという。
田舎とはいえ、この辺は一応住宅地である。何となく山の中の清流にいるイメージを持ってし
まうが、こんな身近な溝に生息しているのかと驚いてしまった。
しかし、最近は、山の中にいっても、あまり生物たち(蝉は除く)の気配を感じなくなったのは
気のせいであろうか。ちょっと心配である。特に、マムシは全く見かけないが、6月の雨上が
りの日に、山で久しぶりに蛇を見つけた。ずっと追い回して観察したところ、上から見ると
真っ黒で腹側は白っぽい色をした小型であった。帰って図鑑やインターネットで調べると
どうもヤマカガシのようであった。イモリにしても、ヤマカガシにしても、人間の目につかない
ところでしっかりと活動しているようでもある。
さて、イモリくんを、間近で観察してみると、背中は真っ黒、腹側は一度見たら忘れられない
ような強烈な赤の地肌に黒い斑点模様である。眼は若干飛び出していて黒く、全体にこぢん
まりとしていて愛嬌がある。大きいのと小さいのとがビニール袋の中で、のそのそと盛んに
動き回っている。井戸や田圃を守るところから「井守」とも書き、蛙と同じく両生類である。
一方、家の窓ガラスで似たような形をした白ぽいのをよく見かける。台所や風呂などの窓の
外側にぴたっと張り付いて、カメレオンほど長い舌は出さないが、虫を「パクッ」と食べてしまう。
こちらは、ヤモリである。形や大きさは似ているが爬虫類であり、「家守」とも書くところを見ると
いろいろと御利益があるのだろうか。
2匹のイモリ君は、ひとしきり品定めをしたところで、元の場所に逃がしてやった。
戻る