10−10 光の波と偏光について
10−10−1波とは何か
皆さん、「波とは何か」と質問されたらどう説明しますか。ここの説明はじっくり読んでください。
「振動」とは物体の規則正しい往復運動をいいます。
「波」とは振動が次々と伝わっていく現象を言います。
今振動を伝える物体が次の図のように並んでいます。そして左端の物体が矢印の方向に振動し、その振動が右の方に伝わっていくものとします。当然右の方ほど振動は遅れていきます。それぞれの物体の位置は次の図のように移動しています。
このように各物体の振動する方向と振動の伝わっていく方向(波の伝わる方向)が直角になっているような波を「横波」といいます。
次に左端の物体が矢印の方向に振動し、その振動が右の方に伝わっていくものとします。当然右の方ほど振動は遅れていきます。
それぞれの物体の位置は、次の図のように移動しています。
このように各物体の振動する方向と振動の伝わっていく方向(波の伝わる方向)が同じ方向になっているような波を「たて波」といいます。
横波の例 電磁波(光の波)、
地震が発生したときに起こる「S波secondary wave」遅いが揺れが大きい。
たて波の例 音波
地震が発生したときに起こる「P波primary wave」速いが揺れは小さい。
10−10−2 平面偏光
光は非常に波長の短い電磁波で、横波です。光源からでた光の振動面は色々な方向のものが混ざっています。この光を偏光板という装置を通すと、同一平面のみに振動する光になります。このような光を平面偏光といいます。外から入った光が、床や机の上で反射していれば、その光は平面偏光になっています。
2枚の偏光板を重ねてみます。偏光の方向が同じならば、光が通りますが、偏光の方向が直角ならば光は通りません。先生に頼んで2枚の偏光板で試してください。地学教室に行って鉱物顕微鏡を使うと偏光板が2枚入っているので、
簡単に確かめられるでしょう。ついでに「かこう岩」のプレパラートを借りてみたらきれいです。
試料に何も入れていないときはAとBの偏光板の向きが同じとき最も明るくなります。しかし試料によってはBの向きを少しずらした方が明るくなります。このように偏光面の向きを回転する性質を「旋光性」といいます。
旋光性をもつ物質としては水晶、レモン油等があります。
このような現象はパスツールが酒石酸ナトリウム・カリウムの結晶を顕微鏡で観察して、結晶が面対称のものがあることを見つけ、その溶液を作って発見したものです。