10−2アルカン・シクロアルカン
10−2−1 アルカン:鎖状飽和炭化水素(炭素原子間の結合は単結合のみ)
炭素数をnとする
n |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
一般式 |
分子式 |
CH4 |
C2H6 |
C3H8 |
C4H10 |
C5H12 |
CnH2n+2 |
名称 |
メタン |
エタン |
プロパン |
ブタン |
ペンタン |
アルカン |
アルカンはすべての有機化合物の基本となるので、名称、構造をよく覚えるように。
共通性質
・化学的に安定な化合物
・炭素原子と炭素原子の間の結合力>炭素原子と水素原子の間の結合力
・水素原子はハロゲン原子と置換される。
置換反応とは或る原子・原子団が他の原子・原子団と置き換えられる反応。
・燃えやすい。
・炭素数が増すと、融点・沸点・密度が増す。
常温で炭素原子数が1〜4 気体
5〜16 液体
17〜 固体
・正四面体構造について
炭素原子からでている4本の価標は空間にすべて同じ角度ででている。
正四面体の中心に炭素原子があり、頂点の方向に価標が伸びている。
その角度は109度28分である。
・炭素原子と炭素原子の間隔は1.54×10-10m
メタン |
エタン |
|
|
写真の黒は炭素、白は水素を表している。各原子の空間配置を示したもので、原子の大きさを表したものではない。
エタンの炭素間の結合は自由に回転できる。
10−2−2 アルキル基
アルカンより水素原子を1個除いたかたちの基
n |
1 |
2 |
3 |
一般式 |
基 |
CH3- |
C2H5- |
C3H7- |
CnH2n+1- |
名称 |
メチル基 |
エチル基 |
プロピル基 |
アルキル基 |
アルキル基はR-と表記することがある。
10−2−3 アルカンの異性体
メタン・エタン・プロパンの構造は1種類しかない。ブタンより炭素数が
多いアルカンは複数の構造・異性体がある。
ブタン 2種類の異性体
ブタン |
2−メチルプロパン |
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ペンタン 3種類
ペンタン |
2メチル ブタン |
2,2ジメチルプロパン |
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炭素数が増えると異性体の数が増える。
10−2−4 アルカンの名称の原則
・最長端の端より炭素原子に番号をつける。
・番号−側鎖の基の名称−主鎖の名称
・番号は小さいものを使用する。
炭素数 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
異性体数 |
1 |
1 |
1 |
2 |
3 |
5 |
9 |
18 |
35 |
75 |
炭素の数が40になると異性体の数が62兆4911億7880万5831になるそうです。(ひとりごと どうして調べたのでしょうね。)
10−2−5 メタンについて
存在 天然ガス、植物の腐敗、都市ガス
製法 酢酸ナトリウムに水酸化ナトリウムを加え、加熱する。(実験室)
CH3COOH + NaOH → CH4 + Na2CO3
性質 ・無色無臭の気体。
・よく燃える。無色の炎
CH4 + O2 → CO2 + 2H2O(液) + 890KJ
CH4:空気=1:10 体積比で9.1%のとき、爆発的に燃焼する。
・ハロゲン特に塩素と置換反応をおこす。
CH4 + Cl2→CH3Cl + HCl クロロメタン Cl = クロロ
CH3Cl +Cl2→CH2Cl2 + HCl ジクロロメタン
CH2Cl2 +Cl2→CHCl3 + HCl トリクロロメタン (クロロホルム)
CHCl3 + Cl2→CCl4 + HCl テトラクロロメタン (四塩化炭素)
10−2−6 シクロアルカン:脂環式炭化水素(環式飽和炭化水素)
一般式 CnH2n
シクロプロパン |
シクロブタン |
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