11−7 芳香族アミン
・ベンゼン環にアミノ基が結合した形の化合物を芳香族アミンという。
・一般に弱塩基性を示す。酸と反応して塩をつくる。
・ニトロ基をスズまたは鉄と塩酸で還元すると得られる。
11−7−1 アニリン C6H5-NH2
製法 ニトロベンゼンを還元する。
性質 ・無色、・特有の臭いの液体 ・水に溶けにくいが(常温で3%)、有機溶媒にはよく溶ける。
・酸化されやすい。
a 二クロム酸カリウムと硫酸で酸化すると木綿の黒色染料であるアニリンブラックが生成する。
b さらし粉で酸化すると赤紫色を呈する。アニリンの検出反応(ルンゲ反応)
11−7−2 アニリン塩酸塩 C6H5-NH3+Cl-
アニリンに塩酸を作用させると生成し、水酸化ナトリウムにより元に戻る。。
性質 ・無色の板状結晶 ・水によく溶ける
11−7−3 アセトアニリド C6H5-NHCO-CH3
アニリンに酢酸を作用させると生成する。
この結合をアミド結合という。
用途 解熱剤
余談1 アミド結合はナイロン、タンパク質にも含まれている。タンパク質に含まれているアミド結合はペプチド結合という。
余談2 さらし粉は色素を酸化することにより、色を白くする。ところが無色のアニリンにさらし粉を加えると美しい赤紫色になるので、発見したルンゲは非常にびっくりしたそうです。