2−3 陽イオンになる原子
 
1個の原子が電子を放出して陽イオンになるものは金属原子です(例外水素)。
そのとき何個の電子を放出するかは最外殻の電子の数により決まります。
 
図の中心の灰色の部分は原子核で数字は原子番号(陽子数)を表している。
黒丸は反応に関係のない電子、赤丸は反応に関係のある(価電子)を表している。
 
+1価のイオンになる原子
 
水素原子        水素イオン
H 電子を1個失って  
陽子1個、電子1個    陽子1個、電子0個
        →        
 
リチウム原子         リチウムイオン
Li 電子を1個失って Li
陽子3個、電子3個    陽子3個、電子2個
    →   
 
ナトリウム原子       ナトリウムイオン
11Na 電子を1個失って 11Na
陽子11個、電子11個    陽子11個、電子10個
    →   
 
カリウム原子       カリウムイオン
19K 電子を1個失って 19
陽子19個、電子19個    陽子19個、電子18個
    →   
 
  周期表で第1族の元素をアルカリ金属という。価電子が1個で、放出するためのエネルギー(イオン化エネルギー)が小さく、1価の陽イオンになりやすい。融点が低く、柔らかい金属である。化学反応性が大きいので、空気中の酸素や水とすぐ反応する。特有の炎色反応を示す。
 
 
+2価のイオンになる原子
 
マグネシウム原子       マグネシウムイオン
12Mg  電子を2個失って  12Mg2+
陽子12個、電子12個    陽子12個、電子10個
    →   
 
カルシウム原子       カルシウムイオン
20Ca  電子を2個失って  20Ca2+
陽子20個、電子20個    陽子20個、電子18個
    →   
 
  周期表で第2族の元素をアルカリ土類金属という(Be、Mgを除く)。価電子が2個で、放出するためのエネルギー(イオン化エネルギー)が小さく、2価の陽イオンになりやすい。特有の炎色反応を示す。
 
 
+3価のイオンになる原子
 
アルミニウム原子       アルミニウムイオン
13Al  電子を3個失って  13Al3+
陽子13個、電子13個    陽子13個、電子10個
    →   
 
  周期表で第13族の元素である。価電子が3個で、3価の陽イオンにな。両性元素で、化学反応はやや複雑である。軽金属の代表で、用途は非常に広い。
 
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