4−3 モル mol とは
1 実験室で薬品を使って化学反応を起こさせるときは、使用する薬品が、過不足無く反応するようにする必要があります。そのためには薬品の量を正確に計る必要があります。そのとき薬品の量は天秤を使用して質量を量るときと、メスシリンダー等を使用して体積を量るときがあります。
しかし原子や分子1個の質量や体積は非常に小さいので、個数を数えたり質量を量ることはできません。そこであるまとまった個数を単位として使用するようになりました。
2 その個数とは 6.02×1023個 なのです。これだけの個数を 1mol といいます。
化学の研究者の名前をとって アボガドロ数 といいます。
(計算を簡単にするた 6×1023 とすることもある)
どうしてこんな半端な数を使うのでしょうか。それは次のような関係があるからです。
原子のとき
水素原子 6.02×1023個 の質量は 1g
炭素原子 6.02×1023個 の質量は 12g
窒素原子 6.02×1023個 の質量は 14g
酸素原子 6.02×1023個 の質量は 16g
分子のとき
水素分子H2 6.02×1023 個の質量は 2g 体積は22.4リットル
酸素原子O2 6.02×1023個 の質量は 32g 体積は22.4リットル
水分子 H2O 6.02×1023個 の質量は 18g
アンモニア分子 NH3 6.02×1023個 の質量は 17g 体積は22.4リットル
二酸化炭素分子 CO2 6.02×1023個 の質量は 44g 体積は22.4リットル
3 物質が1molあるということは
個数なら 原子や分子が 6.02×1023 個 ある
質量なら :原子が原子量g 分子が分子量g ある
気体の場合は 種類に関係なく 22.4リットル ある
(ただし 0℃ , 1atm のとき )
4 まとめ 物質の量は一般に次のように計算できる。
個数 = ( 6.02×1023 × モル数 )個
質量 = ( 原子量× モル数 )g
( 分子量× モル数 )g
気体の体積 = ( 22.4× モル数 )リットル (ただし 0℃ , 1atm のとき )
5 応用 モル数 =質量 /分子量 または モル数 =体積 /22.4
6 注意1 モル数は物質の量を表しているのだから、必ず単位(g またはリットル)をつけること。
7 注意2 原子量・分子量の数値と1モルの質量が同じ数値なので、混乱する人が多い。意味をしっかりと把握してほしい。
しかし実際の計算問題では、原子量・分子量を求めるのに1モルの質量を計算して答は単位を附けないようにする。またはその逆も応用としてよく使用する。