6−4 熱化学方程式の計算
 
 計算原則
 (1) 反応が逆に進むときは熱量の符号が逆になる。絶対値は同じ。
 (2) 両辺に同じ物質や熱量を加減することができる。(数学の移項と同じ)
   同じ数を乗除できる。
 
 式の記述テクニック
   ・未知数の説明を書く。a
   ・求める式を書く。  b
   ・与えられた式を書く。c
   ・このとき等号が縦に揃うようにする。d
 
 計算テクニック
   ・係数を揃えるように乗除する。e   掛け算fの記号は「*」
   ・残したいものに注目し:等号に対し同じ側にあるときは 加算f
               等号に対し反対側にあるときは 減算g
 ここの説明では 掛け算の記号は「*」、割り算の記号は「/」を使用している。
 
 例題 二酸化炭素と水(液体)の生成熱はそれぞれ394KJ、286KJ である。また、メタンCH4(気)の燃焼熱は 890KJ である。このことからメタンの生成熱を求めよ。
 
 解答 a 求める生成熱を QKJ とする。
    b  C(固) + 2H2(気) = CH4(気) +QKJ               
    c   C(固) + O2(気) = CO2(気) + 394KJ  (1)
    c H2(気) + 1/2O2(気) = H2O(液) + 286KJ  (2)
    c CH4(気) + 2O2(気) = CO2(気) + 2H2O(液) + 890KJ  (3)
              d
  計算テクニックにより式を書き直すとミスを防ぐことができる。
   f  (1)    C(固) + O2(気) = CO2(気) + 394KJ
   ef (2)*2  2H2(気) + O2(気) = 2H2O(液) + 286*2KJ
   g -(3)  -CH4(気) - 2O2(気) = -CO2(気) - 2H2O(液) - 890KJ
   以上をまとめると
     C(固) + 2H2(気) -CH4(気) = (394+286*2 -890)KJ
   整理すると
          C(固) + 2H2(気) = CH4(気) + 76KJ
                            答 76KJ
 
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