7−2 酸・塩基 の定義と分類
7−2−1 アレニウスの定義
酸 水に溶けてオキソニウムイオン をだす物質
H3O+ は H+ と省略して書く。
例 HCl + H2O → H3O+ + Cl-
HCl → + Cl-
塩基 水に溶けて水酸化物イオン OH- をだす物質
例 NaOH → Na+ + OH-
NH3 + H2O → NH4+ + OH-
7−2−2 ブレンステッドの定義
酸 他の物質に H+ を与える物質 赤文字
塩基 他の物質から H+ を受け取る物質 青文字
HCl + H2O → H3O+ + Cl- 、 H3O+ + Cl- → HCl + H2O
HCl + NH3 → NH4+ + Cl- 、 NH4+ + Cl- → HCl + NH3
NH3 + H2O → NH4+ + OH- 、 NH4+ + OH- → NH3 + H2O
H2O + H2O → H3O+ + OH- 、 H3O+ + OH- → H2O + H2O
7−2−3 価数による分類
1分子より生じる H+ OH- の数による。
|
酸 |
塩基 |
1価 |
HCl, HNO3, CH3COOH |
NaOH, KOH, NH3 |
2価 |
H2SO4, H2SO3, H2S, CO2 |
Ca(OH)2, Ba(OH)2, Fe(OH)2 |
3価 |
H3PO4 |
Fe(OH)3 |
7−2−4 電離度による分類(重要)
溶けている溶質のうち、電離している溶質の割合。
電離している溶質のモル数:溶けている溶質の全モル数 =電離度 :1
酸・塩基の場合は電離度が大きいもの(1に近いもの)を強い
電離度が小さいものを弱いと表現する。日常生活での強い・弱いとは意
味が異なることを理解しておくこと。
強 酸 |
HCl, HNO3, H2SO4 |
強塩基 |
NaOH, KOH, Ca(OH)2, Ba(OH)2 |
これ以外の酸・塩基は弱酸・弱塩基である。