9−3−3 鉄
鉄 Fe iron 原子価 +2,+3
元素記号は鉄を意味するラテン語ferrumからとったものである。人類に利用され始めたのは3000B.C.頃からと考えられており、日本では2000年前と考えられている。
地球上で酸素、ケイ素、アルミニウムについで多く存在している。
性質 ・銀白色 ・展性延性大 ・強磁性体 ・酸化されやすい
・高温で水蒸気と反応する ・酸と反応して水素を発生する。
・濃硝酸、熱濃硫酸には、不動態となり反応しない
・アルカリとは反応しない。
・炭素の含有量や他の金属を混ぜて合金にすると性質が種々変化する。
用途 構造材、合金、磁石関連製品
主な化合物
酸化鉄(V) Fe2O3
性質 赤色粉末、水に不溶、酸に可溶
用途 赤色顔料(ペンキ等)、レンズの研磨剤等
硫酸鉄(U) FeSO4・7H2O
性質 淡緑色の結晶、水に可溶
塩化鉄(V) FeCl3・6H2O
性質 赤褐色の結晶、水に可溶、潮解性
ヘキサシアノ鉄(U)酸カリウム K4[Fe(CN)6]
性質 黄色、 水に可溶
ヘキサシアノ鉄(V)酸カリウム K3[Fe(CN)6]
性質 暗赤色、 水に可溶
鉄(U)イオンと鉄(V)イオンの比較(重要)
名称 |
鉄(U)イオン |
鉄(V)イオン |
イオン式 |
Fe2+ |
Fe3+ |
色 |
淡緑色 |
褐色 |
安定度 |
不安定 |
安定 |
アルカリにより
|
Fe(OH)2
淡緑色水に不溶 |
Fe(OH)3
褐色水に不溶 |
ヘキサシアノ鉄(U)酸カリウム |
白色沈殿 |
濃青色沈殿 |
ヘキサシアノ鉄(V)酸カリウム |
濃青色沈殿 |
黄緑色溶液 |
チオシアン酸カリウム |
|
赤色溶液 |