9−3−4 銅
銅 Cu copper 原子価 +1,+2
古代の銅の主な生産地はキプロス島であったため、そのラテン語cuprumからとられている。人類が用いたのは1万年前まではさかのぼれる。エジプト王朝での使用は5000B.Cまでさかのぼれる。
性質 ・赤色(真の色は桃色に近い)新しい10円硬貨(金属で有色は2つ)
・展性延性大 ・電気抵抗小 ・塩酸や希硫酸とは反応しない。
・酸化力のある硝酸、熱濃硫酸と反応する。
濃硝酸 Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2NO2 + 2H2O
希硝酸 3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 2NO + 4H2O
熱濃硫酸 Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + SO2 + 2H2O
用途 電線、合金(青銅Cu-Sn、シンチュウ:5円硬貨Cu-Zn)、
主な化合物
結晶硫酸銅 CuSO4・5H2O
性質 青色結晶、水に可溶、
銅イオンの反応(重要)
アルカリ(NaOH,NH3)により青白色の沈殿が生成する。
Cu2+ + 2OH- → Cu(OH)2
さらにアンモニアを加えると濃青色の錯イオンが生成して溶ける。
Cu(OH)2 + 4NH3 → [Cu(NH3)4]2+ + 2OH-
テトラアンミン銅(U)イオン
酸化銅(T) Cu2O 赤色粉末、 水に不溶、酸に可溶
酸化銅(U) CuO 黒色粉末、 水に不溶、酸に可溶
硫化銅 CuS 黒色粉末、 水に不溶 金属イオンの分離の項参照