さくら さくら

花に寝て 花散る雨は 知らざりし    子規

これはこれは あちらこちらの 初桜     子規

春風の花をちらすと見る夢は
       覚めても胸の さわぐなりけり 
  西行


「さくらは 幸せの花」・・宇野千代氏が愛してやまなかった薄墨桜
墨染桜と同じ種類なのでしょうか。

岐阜県根尾谷の薄墨桜は、樹齢1500年。
度重なる受難で、見る影も無くなっていたところ、宇野千代さんの嘆願、尽力により
見事に生き返った巨木です。


達さんが撮って下さったのは京都「墨染寺」境内の桜。
染井吉野でしょうか。

墨染寺(ぼくせんじ)は、

  深草の野辺の桜し 心あらば
        今年ばかりは墨染めに咲け


という上野峯雄の句で有名な「墨染桜」の寺です。
一度、咲いているところを見たいと思うのですが、現在の「墨染桜」は3代目で
まだ若い木だそうですから、あまり見ごたえはないかもしれませんね。

西行は、この墨染桜の枝を杖にして陸奥への旅に出ました。
その途中、その杖を立て、

  深草の野辺の桜木心あらば
         亦この里に すみぞめに咲け


と詠んだのが、東金(千葉)に今も咲く「西行の墨染桜」です。
ということは、この2本の桜は親子でしょうか。
どちらも白っぽい桜が、散り際には薄墨色に染まるとか。 

「墨染寺」は、さくら好きの太閤さんが、墨染桜の謂れを聞き再興した寺だそうです。

太閤秀吉・・と言えば、醍醐の花見。
22歳、卒業してすぐの春。
5月に結婚することになり、ふと思いついて出かけた京都で、偶然
「醍醐の枝垂桜」の下に立ち、あまりの素晴らしさに驚愕したのを
昨日のことのようにありありと思い出します。

PHOTO by Tatsu-san




蕾の時は薄いピンク、満開時は白、そして散りぎわには淡い墨色へと、花の色が変わることから、「薄墨桜」と名付けられた。

PHOTO by Hangan-san

FHOTO by Gucci-san

PHOTO by Yo-san

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