コンファレンスディナー
コンファレンスディナー
国際学会の最終日の前の晩はいつもコンファレンスディナー。あるいはバンケットともいう。一応正式な「晩餐会」なので、ドレスコードがとっても気になる。昔はどの学会も一応スーツとタイでOKだったのだけれど、だんだん崩れてきて、どんな格好でいいか悩ましくなってきた。ポーランドのときにはこの格好でうまくそろっていた。しかし今回は、どうも雲行きが怪しい。楽な格好で良さそうである。実際そうで、ジャケット無し、ノータイで十分だった。主催者の先生に至ってはジーンズで登場。気楽な学会とはいえ、なかなかその格好でディナーは覚悟のいるところ。本当に服装は難しい。
この学会は大変気楽で(その分とってもアカデミック)、講演者はみんなそろってタイ無しジャケット無し、ポスター発表者に至っては、普段着、というラフさ。その代わり講演も討論もものすごくハイレベル。ディナーの格好も講演者の格好がスタンダードになってこうなったのであろう。ヨーロッパの学会にしては珍しくとても気楽であった。
アメリカの学会は最近はラフなのがとっても増えた。どうもアメリカの垢で未来の連中はちゃんとした格好をあまりしないらしい(パトロンのところに行くときはきっと別なんだろうが)。ただ、気楽はいいが、アルコール分が出てこないのには困る。最初の1杯のワインはでるが、それ以上はカウンターが用意してあるから買いにいけ、となる。それはないよね。バケット代は別途払っているのに。
これがヨーロッパになると、酒の方はちゃんと出てくる。普通はバンケットサイトまでバスで移動させられるから、酒が尽きるまでバンケットは終わらない。飲み方もあちらの人は豪快だから、平気で12時、1時まで続く。バスがでるまで帰れないから、しんどくてもここは我慢。結構これがつらかったりする。今回はバンケットサイトまでは徒歩移動だったので、適当に帰ることができて助かった。
コンファレンスディナーの大事な仕事は、一緒に飲む相手を選ぶこと。そして遊びに、もとい、訪問しに行く先生を選んで、行っていいか?ってきいてくること(ほかのケースも、もちろんある)。この手でこれまでたくさんの大学を訪問し、講演し、そして今度は山口に来ていただいて、より仲良くなることができた。学生のポスドクの先もこれで見つけてきたのを考えると、こういう交流こそが大事だったりするし、国際学会の隠れた主目的だと思う。
さすがにたくさん飲んだ翌朝の学会最終日の出席者は低調。もちろん朝から帰ってしまったのもいるし、朝寝坊組、あるいは荷物作りで忙しいのもある。つらいのは、ディナーの翌朝1番の基調講演者。寝過ごせないし、大変だ。お客も少ないし。ということで、いま、その翌朝の講演の真っ最中。やっぱり講演者はひどくは飲んでないんだろうなあ。座長は昨夜のノリがちょっと残っていたようだったけど。講演者が最後に「Thank you very much for your attention and....coming in this morning!」っていってたのが、爆笑を誘っていた。
2012年7月4日水曜日