五月一日付け 敷物新聞より

畳に触れて水虫予防 福田 翼さんの研究 (北九州市立大学森田研究室)

北九州市立大学森田研究室の学生・福田翼さんらの研究て、「藺草に水虫の原因となる白癬菌に対して予防効果があることが発表されました。畳や藺草敷物のある部屋で生活することにより、水虫を予防できるのでは、と期待持てそうです。福田さんは博士課程の学生で森田洋博士の指導のもと、いぐさの機能性に関する研究をしておられます。その中で水虫の原因である白癬菌を抑制できないかという研究をされました。

さて、白癬菌とは、
白癬菌による白癬症のひとつである水虫はカビの一種が皮膚に感染して引き起こされますが、この菌は高温多湿な環境を好むということです。日本人の四人に1人は白癬症であると言われていそうです。感染は大半が家庭内とされ、日常の予防が大切です

白癬菌の実験
まず藺草をサプロー・ブドウ糖寒天培地に5%濃度で添加したもの、そして藺草を加えていない培地の2種類用意。これをそれぞれシャーレに注いで固定化させ、それぞれの培地にトリコフィトン属菌及びミクロポルム属菌を接種し、微生物が増殖しやすい30℃で5日間培養した。
5日間培養後、藺草無添加培地にはいずれの菌もび゜っしりと生えているのに対して、藺草を5%添加した寒天培地には微生物がまったく生えていなかったことが確認された。この結果、水虫の原因となる白癬菌の生育を抑制できることが確認された。

には、湿気が多い環境下では水分を吸収し、乾燥した環境では保持している水分を放出するという調湿機能がある。今回の実験により、畳での生活は足環境のおいて非常に有効であることが分かった。しかし、たたみから白癬菌が検出される報告もあり、白癬病予防には日々の清掃が不可欠であることを忘れてはならない

福田さん「今回の研究で使用したトリコフィトン属菌は白癬症の大半を占める病原菌であり、またミクロスポルム属菌は犬や猫に好んで寄生するため、ペットを経由して人に感染する。近年、白癬症患者が増加しているが、この一因として靴文化やペットブーム等が挙げられる藺草は日本の伝統的な建築素材として扱われているが、現代の建築素材してと改めて見直してみてはどうだろうか。今後、様々な白癬菌に対する抗菌効果の検討更なる藺草の可能性ついて検討していきたい」と話している。


福田さんの所属する北九州市立大学研究室 の森田洋農学博士のお話
私の秘蔵っ子ともいえる福田君が素晴らしい研究成果を出してくれた。藺草は今までカビ類に対して抗菌効果がないと思っていたが、白癬菌に対して抗菌効果が認められ、正直驚いている。フローリングには白癬菌に対して抗菌効果がないことから、家族の者の誰かが水虫だったときに感染の恐れが大きい。それに対して藺草を使った畳は白癬菌に対し抗菌効果があるので、水虫の感染を抑えるのではないだろうかいずれにしても畳はすばらしい敷材というひとであろう。

終わりに

和室の減りつつある今、この福音を持って、日本の文化の源である和室が見直されることを切に、願います。
また、和室における普通の生活動作が、合理的で楽にできている椅子・机の動作より、筋肉の衰えを防ぐ要素が多いこともお忘れなく!