平成20年6月25日 公開
平成年月日 更新


●「文化財保護法」の中に


 公開については、表現に多少の差はあるものの、「旧 無形文化財」、新「無形文化財」の「重要無形文化財(俗称 人間国宝)」・「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」については、それぞ次のようになっています。

 まず、当初の条文=旧「無形文化財」についての条文はこうなっていました。


「文化財保護法」の条文


旧「無形文化財」の場合
第四章 無形文化財
(公開)
 第六十八條 委員会は、前條の規定による措置を受けた者に対し、三箇月以内の期間を限つて、当該無形文化財の公開を命ずることができる。

 それが、新「無形文化財」については、こうなります。
  
 (重要無形文化財の公開)
 第五十六条の七 委員会は、重要無形文化財の保存者に対し重要無形文化財の公開を、重要無形文化財の記録の所有者に対しその公開を勧告することができる。
 
 (重要無形文化財以外の無形文化財の記録の作成等)
  第五十六条の九 委員会は、重要無形文化財以外の無形文化財のうち特に必要のあるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、若しくは公開し、又は適当な者に対し、当該無形文化財の公開若しくはその記録の作成、保存若しくは公開に要する費用の一部を補助することができる。


──[「伝統工芸展」が「第二回展」以後も公開≠フ場であったこと公的≠ネ資料による証明]───────────────

文化財保護の歩み〈昭和35年11月1日発行 編集=文化財保護委員会〉
六 無形文化財関係資料
一 重要無形文化財一覧
二 記録作の措置を講ずべきものとして選択された無形文化財一覧 
三 無形文化財関係事業一覧
1 芸能関係
 (1)技の記録
 (2)技の公開
2 工芸技術関係
 (1)技の記録
 (2)作品の公開        (618−619頁)
      (昭和27年という技術講習会以外は、すべて「日本伝統工芸展」です。)

塗(松波式引べら)技術講習会・特殊蒔絵(河面式)技術講習会 昭和27年 (会場欄は空白)
第一回日本伝統工芸展  昭和29年3月16日〜21日  日本橋三越  
第二回日本伝統工芸展  昭和30年10月4日〜16日  日本橋三越 
第三回日本伝統工芸展
昭和31年10月9日〜21日  日本橋三越 
昭和31年11月17日〜22日  大阪三越   
第四回日本伝統工芸展
昭和32年10月8日〜20日  日本橋三越 
昭和32年11月1日〜7日  名古屋オリエンタル中村   
昭和32年11月16日〜21日  大阪三越 
昭和32年11月30日〜12月10日  第一会場高松市美術館 
昭和32年11月30日〜12月5日  第二会場三越高松支店
昭和33年1月14日〜19日  福岡市岩田屋
第五回日本伝統工芸展 
昭和33年10月7日〜19日  日本橋三越 
昭和33年10月29日〜11月3日  名古屋オリエンタル中村   
昭和33年11月8日〜13日  大阪三越 
昭和33年11月25日〜30日  福岡市岩田屋 
第五回日本伝統工芸展
昭和33年10月7日〜19日  日本橋三越 
昭和33年10月29日〜11月3日  名古屋オリエンタル中村   
昭和33年11月8日〜13日  大阪三越 
昭和33年11月25日〜30日  福岡市岩田屋 
第六回日本伝統工芸展
昭和34年10月6日〜18日  日本橋三越 
昭和34年10月28日〜11月3日  名古屋オリエンタル中村   
昭和34年11月7日〜12日  大阪三越 
昭和34年11月19日〜30日  高松市美術館 

 昭和35年11月発行において、昭和34年分まで、欠かさず「日本伝統工芸展」公開の場として設けられたとあるわけですから、父が、小山先生のお話を誤解していたわけではないということがわかっていただけると思います。

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