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最後に
以上、ここでの説明の役割は終わりました。人間はいつになっても本質的な部分は変わっていないのではないかと思います。まさに喜怒哀楽の生物というのが本質でしょう。話は最初に戻ります。文学というのは何のためにあるのか、世界的にもギリシャの昔から考えられてきましたし、アジアにあっては中国の書物で二千年以上も前に説明したものがあります。それらで共通しているのが、自分の感情を他と共有したい、訴えたいということです。人間が言葉を持ったときに最初に何を言ったかということです。そこから自分を見つめ直すことも始まります。他人と自分の違いや共通点にも気がつくようになります。そして自分の考えを相手に押しつけるという欲求も起こります。自己中心の世界を作りたいということは人間が登場してから不変のものかも知れません。争いが起こったり、助け合ったりという社会はそこから生まれて来るのでしょう。
そうした人間社会を言葉で包み込むものが文学であり、社会や我々の意識がどのように形を変えようとも、普遍的にその本質を見つめるのが文学なのだととらえて誤りはないでしょう。
これからもどんな文学作品が生まれ、後世の人たちは今の文学をどのように見るのでしょうね。