第9章 機雷爆発
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次の日朝早く錨を上げて、港と言ってもほとんど川であるが、そこを静かに下り沖に出た。
危険と言っても日本海である。見張りも人数が少なく、緊張感のないものであった。
昼間走り続け、若狭湾に進路を取り、今日は早いが四時ごろ福井県の敦賀港に入港した。
湾の周りは山々に囲まれていた。
直ぐボートを下ろして港の倉庫に魚や鯨肉などの食糧を取りに出かけた。
ちょうど倉庫に係りの者がいなかったので、これ幸いと町をぶらぶら歩いた。思ったより大きな港町であった。
やはり昼間から行く所は遊郭である。冷やかして歩いて行くと、
「兵隊さん。遊んで行って」とか、
「今晩待っているからね」などと女が騒いでいた。
さすが大陸との貿易港である。大きい女郎屋がたくさんあった。
北陸の大きな町といった所である。船や漁船が結構入っていた。
倉庫に戻り、マグロや野菜など色々の配給を受け取ってからボートを漕いで船に帰って行った。