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モクレン通信

1998年11月vol.9

から眺めている分には、モクレンはとても静かに見えます。
秋の空に落ちついて立っています。
お隣の柿の木がにぎやかなのと対照的です。
「あれ、ウチのモクレン元気かな」
目に見えないもの、声に聞こえないものには、気付かずに過ごしてしまいがちな“今”
見えるもの、聞こえるものですら、無視したり、気付かない振りをしてしまうこともあります。
木や自然の笑顔、涙、歓声、叫びを自分の目で耳で感じたいし、気付きたいです。
自分や、自分の家族を思いように…だって自分は“自然の一部分”なのだから。

美しい夕焼けや流星群が見れたのも静かな穏やかな、
けれどりりしい自然がここにあるからなのかも知れません。

日、5時からのグループで芥川龍之介の“蜘蛛の糸”を読みました。
子供同志の間、大人と子供の間、毎回いろんな事が起こります。
どんな小さな事でもいいことはいい、悪いことは悪いです。
口で注意してもなかなか上手くいきません。
そこでひらめきました。私も以前“子供”を経験したので!
最初に「今日は本を読むよ。怖いお話だよ」と言うと、子供たちは窓やカーテンを全部閉め、電気を消し用意周到。
うす暗い部屋の中でお話ははじまりました。
普段はおませなことを言う子供たちも、この時ばかりは、ずうーっとお話にすいこまれて行きました。
終わると感想や質問がたくさん飛び出しました。
「おーこわ!!」
「みんなでのぼれば糸は切れなかったんじゃない?」
「そうよね」
「天国か地獄に行くかは神様が決めるの?」
「そうよ。誰も見ていないと思っても、神さまにいいことも悪いこともちゃんと全部見ちょってんよ。」
「やばっ」

今の子供たちと私が子供だったころと、何が違うのかな
、 時代の流れで仕方のないことなのかなと、日頃思っていましたが、奥のところでは何の違いもないことがわかりました。
私も、悪いことするとキョロキョロ天井見回して神様を気にしていました。

子供たちにしたら、叱られるばかりじゃ、おもしろくないし、逆効果になる場合もあります。
自分で判断し、納得してはじめてわかるものだと、いい悪いを自分で考え行動できるよう
大人はその手助けをすればいいんだ。

今回、子供たちの素直な反応は私を助けてくれました。

このお話が、これからも子供たちのどこかにひっかかってくれていればいいな。
ちょっとした時、思い出してくれればいいなと思います。

私もひっかけておきます。 蜘蛛の糸〜〜