活動報告

 「被爆体験者」問題と「被爆二世」問題の解決に向けた院内集会
 5月29日(水)16時30分から18時、衆議院第2議員会館多目的会議室で「被爆体験者」問題と「被爆二世」問題の解決に向けた院内集会が原水爆禁止日本国民会議(原水禁)主催で開催され、被爆者問題議員懇談会(議員懇)参加の国会議員・代理秘書など17人を含む約80人が参加して開催されました。
 まず初めに、被爆体験者協議会の相談役であり、全国被爆二世団体連絡協議会(全国被爆二世協)の特別顧問である平野伸人さんが「戦後処理をきちっとし、新たな戦前をつくらない決意を」と主催者あいさつをし、続いて議員懇を代表して西岡秀子副会長があいさつ、「議員懇としてしっかり取り組んでいく」と決意を述べました。
 次に、「被爆体験者」問題について、支援している池田章子長崎市議会議員が「「被爆体験者」は被爆者だ−被爆体験者問題の解決に向けて」と題して報告を行い、今年8月9日に岸田首相が被爆体験者と面会するが、広島黒い雨地域と同様の取り扱いを求めることや、9月9日の長崎地裁判決勝訴後、市・県に控訴させない取り組みを行い、判決確定後、被爆体験者全員の救済と、黒い雨に限定しない救済を求めることを訴え、被爆体験者問題への理解と早期解決のための力添えをお願いしました。その後、被爆体験者協議会の山内武会長が、仲間が亡くなっている状況を話し、首相に対して「会うだけではなく、早期解決を」強く求めました。
 続いて、「被爆二世」問題について、全国被爆二世協の崎山昇会長が「原爆被爆二世へ被爆者援護法の適用を!!」と題して報告を行い、被爆二世が置かれた状況や全国被爆二世協が結成以来30年以上にわたって被爆二世・三世に対する原爆二法や被爆者援護法の適用を求め続けてきたが実現しておらず、やむなく司法の場での解決をめざし集団訴訟に至っていることを説明し、国は「黒い雨広島高裁判決」を上告せず受け入れたにもかかわらず従っていないことを指摘、判決に従い法の趣旨に基づき広く被爆者を救済するように被爆者援護行政を改め、被爆二世も5号被爆者として被爆者援護法を適用することを求め、参加者へ引き続きの支援と協力をお願いしました。また、被爆二世集団訴訟の在間秀和弁護団長は、原告側の敗訴判決ではあるものの、いずれの判決でも「二世を援護の対象に加えるか否かや、その場合の援護の在り方等については、立法府の総合的政策的判断を要する合理的な裁量的判断に委ねられている」ことの趣旨が指摘されている、として国会での取り組みを促しました。
 今回の院内集会は、訴訟をたたかいながら、議員懇と連携して「被爆体験者」問題と「被爆二世」問題の政治的な解決をめざす大きな一歩になりました。
(文責:全国被爆二世団体連絡協議会会長 崎山昇)
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