軍扇 毛利元就所用
御重代太刀
雲龍図 雲谷派
福禄寿図 狩野芳崖筆
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暖冬の今年も日増しに寒さが増し、毛利氏庭園の紅葉もとうとう散りました。紅葉が終わると、毛利氏庭園・毛利博物館では新年の準備に向かいますが、今年も年末年始に向けての企画展「毛利家のお正月」が始まっています。
この展覧会は、毛利家ゆかりの「正月飾り」ほか、正月の祝いの行事を彩るのにふさわしい縁起のよい美術工芸品や、来年の干支「辰」にちなんだ龍の絵など、おめでたいとされる作品を紹介する企画です。ぜひこの機会に、長い伝統と高い格式をもつ毛利家の縁起の品々をごらんいただき、年末年始の幸運を願ってはいかがでしょう。
毛利家の「正月飾り」は、毛利家を飛躍させた戦国大名毛利元就ゆかりの甲冑や軍扇など、上昇を意味する日の丸の文様が鮮やかに描かれためでたい武具に、長州藩の初代藩主毛利秀就(ひでなり)が朝廷から拜領した由緒ある「御重代太刀(ごじゅうだいのたち)」を組み合わせた、毛利家ならではの格調高い逸品です。
そのほか、明治の日本画革新に努めた狩野芳崖(かのうほうがい)が描いた、長寿と栄華・富貴を願う「福禄寿図」や、幕末の上方で活躍した九州南画会の巨匠田能村直入(たのむらちょくにゅう)が描いた「青緑山水・郭子儀図」も縁起のよい画題とされています。 また江戸期の狩野如川が描いたとてもユーモラスな「龍虎図」など、干支の「辰」に因んだ作品も展示しています。今回は、第10代長州藩主毛利斉煕(なりひろ)が筆を執った書も、開館以来初めて公開しています。
「正月規式」は、江戸時代後期の藩主が、大晦日から正月にかけてどのように行事をこなしていたかの、細かなスケジュールが記されたとても珍しいものです。殿さまの正月がどのようなものであったか、ご興味の方々には必見の品です。
12月22日(金)〜12月31日(日)までは年末の休館ですが、新年は1月1日(月)午前9時から通常どおり開館いたしますので、初詣とあわせて博物館での福探しにもぜひ足をお運びください。
会期は令和6年(2024)1月21日(日)までです。 |