「史記 呂后本紀」第九【国宝】
一巻まるごと一挙に公開するのは 今回特別です!
「史記」巻頭部分
「史記」巻末部分 (筆写した大江家国の名前と、 子孫が秘本で確認したことが 記されている)
|
毛利氏庭園ではカエデの新緑に、ツツジやアヤメが見頃を迎え、初夏のさわやかな季節を迎えています。
毛利博物館の企画展「大江広元-鎌倉殿を支えた毛利氏の祖-」では、大河ドラマで注目の、大江広元(おおえのひろもと)にかかわる遺品などを公開しています。 数ある展示品の中で、今回特に注目は、大江氏秘伝の書として代々大切にされてきた国宝の「史記 呂后本紀」第九です。 本作品は、中国古代の「史記」の注釈本を写したものとされています。注目すべきは、後の返り点の前身である「ヲコト点」や、送り仮名、注釈などが記されていることで、日本における漢文訓読史上希有の一品として国宝に指定されています。 巻末には、大江家国が写して、子孫が確認を繰り返したことがわかる奥書が記され、朝廷の大学で、歴史学にあたる紀伝道の博士を輩出した、大江氏代々の秘蔵の研究書であったとされる逸品です。
これは、直接広元にかかわる作品ではありませんが、こうした学問に裏打ちされた行政能力や、朝廷と渡り合うことができる外交手腕が、源頼朝に大いに買われたことで、広元が鎌倉幕府において飛躍的な出世を遂げたことがわかる作品として、今回特別に公開しています。
また、保存に注意を要する貴重書のため、日頃は公開を厳しく制限していますが、企画展の目玉として、今回は特別に、巻頭から巻末まで、6bの巻物を一挙に公開しています。
一時にすべてを見ることが出来るのはこの機会のみ!ぜひこの機会にご見学を!! 公開は5月29日(日)までです。 |