身長87.3cm、反(そ)り3.5cm、鎬(しのぎ)造り、庵棟(刀の瀬が峯形のもの)、表裏に棒樋を掻(か)き流している。鍛(きたえ)は小板目でこまかに地沸(じにえ)がつき、刃文は小乱(こみだれ)で、二重刃が見られ総体に沸がよくついている。腰反(こしぞり)は高く、鋒の方へいって反りがやや伏し、腰元に踏張りがあるなど、鍛や刃文同様、古備前の特色をよくあらわしている。茎(なかご:柄の部分)は、少し摺り上げて(切り捨てること)表に銘を刻む。磨滅し読み難いが「備前國□□」とある。古来、備前で最も著名な友成の作と伝えられる。また棟に斬込みがあり、これは戦場で敵の刀を受けとめたあとで、この太刀の武勲を物語るものである。