日本国王之印・印箱


材はサクラ、印面は10.1cmの正方形で、高さは向って右側4.1cm、左側3.5cmと不同である。上方側面に「上」と線刻し、下方側面には「日本国王臣源」の墨書がある。印面は「日本国王之印」の六文字を二字あて三行に深く刻んでいる。
この印を捺印した大内義長(おおうちよしなが)の証判に「日本国昔年欽奉大明国勅賜御印壹顆」とあることや、「日本国王臣源」の墨書から、この印は明から足利義満に与えられた勘合印であったとされている。もっとも原印は金印であったが、戦乱の間に原印が失われたので、代用として製作されたものと考えられている。
印箱は縦・横とも20.1cm、高さ22.3cmの切面型で、朱漆に雲竜の沈金文様を施した豪華なものである。同じく雲竜の金象嵌(きんぞうがん)文様を施した錠前と鍵がともに残されているが、いずれの製作も中国明時代とみられ、当初からの印箱であると考えられている。
大内氏の滅亡後、この印の重要性を熟知していた毛利元就が入手し、以降毛利家の至宝の一つに加えられた逸品である。