古今和歌集 巻第八
古今和歌集はわが国最初の勅撰和歌集で、延喜5年(905)、紀貫之など四人が撰進したものである。全二十巻のうち、現在完本は本書巻八と巻五・巻二十だけで、あとは一・二・三・九・十八・十九の六巻が断簡として残る。書風により、通常第一種・第二種・第三種に分かれるが、本書は第二種に属し、源兼行筆とするのが定説となっている。料紙は白麻紙に雲母砂子をまき、それが見る角度によってきらきらと輝き、流麗枯淡な文字とあいまって王朝貴族の高貴な世界をかもし出している。