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(2007/7/8) 地上デジタル放送(地デジ)と区域外再送信について
〜20XX年、地上波テレビのチャンネルが現在の半分となる地域が続出するかも?〜

当ホームページではアニメ番組をメインに取り上げています。

そのような管理人が、最近、非常に気がかりに思っている話題があります。

それは、アナログ放送で区域外再送信が認められていたケーブルテレビ局に対しても、
デジタル放送では区域外再送信が認められにくいケースが多いという事実です。
(区域外とは自分の居住している県(3大都市圏等例外あり)以外の地区のことです)

もともとケーブルテレビは難視聴対策の共同受信から発展してきたものです。
要するに、より多くのチャンネルが見たいからケーブルテレビに加入しているわけです。
地方ではいわゆる民放の系列局(5系列)がそろっていないところがあります。
それを補うため、隣接地域の放送局の番組を見ている人も多いのです。
アンテナ直接受信では映りが悪くてもケーブルならキレイな画像が楽しめるのです。
そして、より多くのチャンネルがあれば、様々な番組を選択して見ることができます。

しかし、地上アナログ放送(地アナ)が、4年後の2011年7月に停止する予定です。
地上デジタル放送(地デジ)の区域外再送信が認められないと、アナログ放送終了により、区域内の放送しか見れなくなってしまいます。

つまり、民放が3局以下の県に住んでいてケーブルテレビを通じて地上波テレビを見ている人は、東京に住んでいる人の半分以下のチャンネルしか見れなくなるということです。

20XX年、テレビのチャンネルが半分しか見れないことが現実になるかもしれません。

ケーブルテレビは情報格差是正のための補助金を受けて整備しているところもあります。
しかし、デジタル化に伴って、これまで再送信できたチャンネルの再送信ができなくなるということは、国の方針で進められた地デジが(再送信が認められず、アナログ放送と比べてチャンネルが減ると)結果として情報格差を生み出してしまうことになります。

いくら補助金(=税金)を使って光ファイバー等の立派な設備を整備したとしても、そこを流れるべき情報が制限されるなら、何の意味のないものとなってしまいます。

地デジに切り替えるため、(アナログでは再送信できたがデジタルでは再送信できないために)チャンネル数が減ると、ケーブルテレビに加入するメリットも薄れてしまい、ケーブルテレビを運営している会社、そしてケーブルテレビに出資している団体にも負の影響(赤字になり経営が苦しくなる)が出てくることは容易に想像できます。ケーブルテレビに加入していない人が加入者より先に隣県の地デジを楽しんでいる状況があると、なおさらケーブルテレビに入るメリットが感じられなくなります。

また、そもそも同じ日本という国に住んでいるのに、住んでいる場所によって得られる情報が半ば強制的に減らされてしまうというのは、地域格差をより深刻なものにし、より過疎、過密化を招くものだと思います。

最近の番組はBS、CSなどの衛星放送で放送したりDVD化されたりすることも多いのですが、同じ番組を見るのに、ある地域の人(都会)は無料で見れるのに、それ以外の地域の人(地方)はまったく見れなくなるわけではないが、コストがかかるということが多くあります。地方在住者にとっては、決して少なくない出費を強いられることになるのです。

現代日本は江戸時代のような封建社会ではなく、民主主義の国です。
少なくとも隣県の情報くらいは接する機会を持ちえても良いのではないでしょうか?
地元局では放送しない番組を隣県で放送したら、見たくなるのが人情というものです。
インターネットも発達して昔ほどではないにしてもテレビは重要な情報源のひとつです。

例えるなら、情報は水や空気のようなものです。

突然、今まで見えていたものが見えなくなると非常に苦しく思うのは私だけでしょうか?

民放の経営的な判断もあるとは思いますが、電波は有限な資源です。
もちろん、地元の放送局も身近な話題を取り上げるという意味において重要であると思います。そして、視聴者も地元の放送局がニーズにあった放送をすることにより、他局ではなく、地元の放送を見ようという意識が芽生えると思います。ですから、「再送信をさせない」という保守的な方法をとるよりも、他局に負けない番組を制作し、視聴者に選ばれる番組作りをすることで応えるといった方法で自局の番組を見てもらうようにしてもらえばよいと思います。

地デジの再送信問題は、民放やケーブルテレビなどが話し合いを続けていますが、肝心の視聴者の意見が反映されないまま決められてしまうことに危機感を持っています。

テレビ局や(系列の)新聞などでは当事者であるがゆえに報道されることもほとんどなく、このような問題があることに気づいていない人も多いと思います。

数年後、一般の方が実際に「今まで見えていたチャンネルが見えなくなる」という現実に直面して、混乱を招くことになるかもしれません。

いろいろな意見や情報を「選択できる」ということが重要だと私は強く感じます。
「ある意見だけしか受け取ることができない」ように規制されてしまうことは、公共的で影響力の大きい放送だけに、とても恐ろしいことだと感じます。

皆さんはどのようにお感じになられるでしょうか。
決して「他人事」ではないという方も多いのではないでしょうか?


次回おたのしみに・・・