宮野建築設計事務所の紹介&旧コラム集

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○所長のコラム集○

姉歯元設計士による構造耐震偽装の問題、木造住宅での壁量不足事件など建築業界について物申す!

2008年より所長のコラムは、ブログへ変わりました。

〜COLUMN 14(07.09.20)〜

建築基準法改正法が施行されてから、やがて3ヶ月が経とうとしている。マスコミでは殆ど報道されていないが、建築確認審査の段階で混乱が続いているようである。弊社では改正後6件の確認申請を提出したが、その過程から改正法の問題を考えて見ようと思う。物件は全て4号建築物である。1件目は、法改施行直後の6月28日地元のU市役所建築指導課に提出した。確認申請書は、ERIのHPよりダウンロードして使用したが、この申請書が完全でなく申請書一面の印刷部分の訂正を指摘された。受付後2〜3の訂正があったが不適合にはならないで問題なく期限内に受け取ることが出来た。当初1件目は確認不適合による申請料のW支払いも覚悟していたが、U市建築指導課では案外柔軟に対応してくれることが判った。この経験がその後に生きて大きな自信になった。その後、U市には3件の建築確認を提出したが、建築確認の運用指針などの公示、Q&Aの後出しにより、添付書類の追加指示は有るものの、問題なく期限内に受け取ることが出来た。3件目に民間建築確認機関に提出する機会があり、8月のお盆前に約1時間かけて提出に出向いた。その時事前審査をやっている事を知らなかったので、受付をすませ手数料を払って帰ってきたら、程なく審査官より「事前審査でなくて良いか」と電話がかかってきた、一瞬迷ったが、往復2時間は時間の無駄と思ったので、本審査でお願いしますと答えた。「不適合の場合、審査料は返金しませんよ」と言われたが、以外に冷静に「良いです。勉強代と思います。」と言っちゃった。考えもなく言っちゃったのである。その後の1週間は、1件目の場合と違いどのような展開になるのかと「どきどき」であった、晩酌のビールの運命もかかる重大事であることに気づいたのはお盆休みの間であったが、その危惧もなく22日に、受け取り時に一箇所の訂正を条件に決済を頂いた。その後、Y市建築指導課にも提出した。対応はU市とほぼ同じであると感じたが、代願の物件であったので設計者の委任状を要求された。訂正がないので必要ないのではと頑張ったが、却下され仕方なく添付することとなった。法改正前より事前に情報を仕入れ、打ち合わせチェックリスト、図面記入項目のチェックリスト、確認書記入チェックリスト等の作成により、周到に準備をしてきたと思っても小さなミスや見落としは防げないものだと感じている。改正後、3ヶ月が経つこの改正の主旨は何か、こと4号建築物に関しては、建築確認審査において、又、安全の担保においては改正前となんら変ることがない。設計図は単に審査用の図面になっている。書類審査をどんなに厳しくしても所詮机上の上の話であろう。無意味な認定書の添付など、何の為に必要なのであろうか、私には理解できない。そんな事よりも、木造住宅等の、耐力壁配置図、接合金物図を添付する方が先ではないのか。審査を要しないのであれば、審査免除とゴム印を押せばいいではないかと思う。要は書類として残すことが重要であり、後年の改装、増築等の場合には証拠となる。第三者の目に留まると思えば設計者も嘘は書けない。中古住宅の売買にも重要なものである。耐震診断が叫ばれる今日、何年か先には、公費を使っての耐震診断が必要にならなければ良いなと思う改正法である。

〜COLUMN 13(07.07.09)〜

6月20日に建築基準法の改正が施行され20日余りになるところであるが、先週の木曜日のある市の建築指導課受付でのやり取りを紹介しよう。たまたま27日に提出していた建築確認に軽微な不備がありその修正作業をしていた時である。一人の紳士が建築確認の提出に来た様である。パラパラと紙を捲る音がして、「これは旧申請書ですので書き直してください」と言う係りの人の声に思わず私も顔を上げた。その人がなんと言うか楽しみであったので、耳を澄まして言葉を待った。「あのー、表紙も変えなくてはだめですか!」 係り「一面も変わっていますが」・・・・「印鑑を又、貰いに行かなければならないのに・・・・・」と独り言・・「申請書をください。」・・・・「建築行政情報センターのHPよりダウンロードしてください。」・・・「此処にはありませんか」「コピーすればありますが・・・!」・・「おねがいします。」・・・・私が思うに彼は、どうしても今日、提出して帰りたい・・・帰れると思っている様子であった。係員がコピーに行っている間に彼の独り言「何時から変わったのかなー・・・どこが変わったかな・・・」ぱらぱらと書類を捲る音がする。ほどなく係員が戻って来たのであろう。「どこが変わったのでしょうか。」・・・係員、「色々と変わっていますよ。基準法・建築士法も改正されました。6月20日よりの施行です。」係員も呆れているのか、どこか投げやりな態度で「改正の解説書等を読んでください。国交省のHPに詳しく出ていますよ。建築確認には設計者の建築士免許の写しも添付してくださいね。」・・・・・しばしの沈黙・・・「そうですかぁ、ありがとうございました。」と彼は観念したように帰っていったようである。免許書の写しがないので、今日は駄目だと悟ったのであろう。たまたま遭遇した光景であるが、案外日本の彼方此方である風景なのかも知れない。一連の耐震偽装以来、建築基準法改正の政令・省令の発表は、インターネットが主流であった。インターネットに繋がっていなければ情報を得ることは出来ないのである。その後、彼はどうしたであろうか、建築士免許の写しを添付し・認定書の添付をしたであろうか、はたまた、図面には指定された事項を記入したであろうか、建築確認が不適合の場合、検査料の返金がなく、再確認になることなど・・・又、居室の採光面積に違反すると100万以下の罰金になることなど知りえたであろうかと人事ながら心配するのである。先ほど、先日修正をした建築確認書を取りに来てくださいと指導課より電話があった。一安心である。検査料没収の第一号には生りたくないと思っていたのでホットしたところであるが、これからが大変だと思う雨の月曜日の感想である。

〜COLUMN 12(07.06.11)〜

先週、「建築基準法・建築士法の一部改正法律の施行に伴う関係政省令等の解説」の講習会に参加してきました。この度の改正により一番大きく変わるのはやはり、構造計算等の関係であり、講習の時間割りもその半分以上が構造計算の方法等また審査の方法についての説明であった。業務の大部分を4号物件に限定している弊社には、余り関係ない話として聞いていたが、後半の建築確認・検査の厳格化等、又、建築士法の改正による図書の保存、罰則の強化等にいたっては、前途は多難と言わざるを得ない内容であった。まず「建築確認申請等には、担当した全ての建築士の氏名・資格等の記載の義務付け」ひとつ取ってみても、「壁量計算書を作成した」のみで、知らない内に構造担当として確認書に記載され、後年罰金ウン十万円+業務停止となることだって有り得るのだ。昨今木造の伏図はプレカット工場に委ねられている、工場に建築士がいなければ、その取扱いをどのようにすれば良いのか、うっかりすれば、名義貸しになりかねない?と思ったりするのである。色々考えれば当社だけでは解決出来ない事も多々あるように思われる。また、設計図書の保存期間が15年となり、電子データでの保存はだめと記載されている。早速、マイクロフィルムスキャナーを調べてみたら、なんと100万円以上の値段であった。当面は昔のように小屋裏にお世話になるかなーと、弱小事務所では苦笑して、納得するしかない。今度、小屋裏を覗いて見ようと思うのである。それにしても、改正法施行まで10日に迫った今日でも、まだ建築基準法が改正されることすら知らない工務店や建築士が存在するのは、どういうことであろうか。国や省庁は、なぜTV等を活用してもっと広く国民に知らせないのであろうか。官報など普通の人は読みません。建築基準法といえども家を建てる人だけが知っていれば良いと云うものではないと思う。隣に建物が建つ時、知っていれば多少なりともトラブルの早期解消に役立つかも知れない。専門的なことは別にして最低の知識としての建築基準法というものがあると思うのだが・・・!今、世間で騒がれている年金問題、・介護保険業者等の問題にしても、国民の目線に立った法律でなければ、有ってなきがごとき物である証明ではないかと思う。厳しく自己責任を問うのであれば、多くの人々が知らなければならない。徹底した情報の開示が必要であり、そしてその法律を作成し運用した方にも責任が問えるような法律でなければならないと思う今日この頃である。「分け入っても分け入っても青い山」  山頭火

〜COLUMN 11(07.05.29)〜

◎改正建築基準法の施行日迫る◎

〜COLUMN 10(07.03.20)〜

 

〜COLUMN 9(07.02.13)〜

〜COLUMN 8(07.01.09)〜

〜COLUMN 7(06.09.02)〜

〜COLUMN 6(06.08.04)〜

〜COLUMN 5(06.03.02)〜

〜COLUMN 4(06.01.27)〜

〜COLUMN 3(05.11.28)〜

〜COLUMN 2(05.11.22)〜

〜COLUMN 1(05.10.11)〜

 


○2×4工法の利点、特徴

●木造住宅の傑作部分を集約した「2×4工法」●

ツーバイフォー(2×4)工法は、北米・カナダで生まれ育った木造建築工法です。

我が国伝統の在来木造が柱と梁で作られている軸組み構造であるのと違って2×4工法は、壁の面と床とで構成される枠組壁工法です。

2×4工法の名前は使用する規格化された木材の断面が2インチ(4センチ)×4インチ(9センチ)の部材を豊富に使うことに由来があります。

2×4工法の大きな特徴は、その工法が合理的なことです。

使用する木材、釘、補強金物などすべてが、JISやJASで規格化され、使用方法もシステム化されてます。

その出来映えが大工さんの腕に左右されやすい在来工法に比べ、常に一定した品質が保証されます。がっしりとした6面体構造。

面剛性に富むこの構造体が、外的圧力をあらゆる部分で受けとめ、優れた強度を発揮します。

タテ空間の広がりとして吹抜を設けたり、大きなリビングルームの構成や屋根裏部屋など、オープンスペースが可能です。

住空間の魅力を無限大に拡げてくれるのは、2×4工法ならではの特徴です。

また、伝統的な和室も味わい深く表現いたします。設計面では、非常に柔軟で自由性をもっていますのでドーマ等、多彩な空間設計が可能です。

 

●地震や台風、火災に高い性能を発揮するツーバイフォー工法は、 質の時代にふさわしいハイグレード住宅●

○耐震性と耐風性○

地震や台風にもびくともしない構造です。ツーバイフォー住宅は、床面と壁面とで構成された壁式構造です。

地震や台風などで外力が加わった場合、その力は、すべての壁や床に分散されます。

在来軸組み工法のように柱やスジカイに力が集中することはありません。

耐震性と耐風性の高さが評価され、我が国でも3階建を造ることが認められています。

平成16年には、(社)日本ツーバイフォー建築協会が耐火構造認定を取得したことにより、条件付ながら4、5階建ての建築が可能となりました。

今後の更なる発展が期待されます。

 

○防火性○

各室防火構造、出火しても燃え広がりません。

ツーバイフォー住宅は、壁面、天井面全部に木材を覆い隠すセッコウボードを貼りめぐらせています。

結晶水を含んでいるセッコウボードにより、耐火性のうもひときわ群を抜いています。

建設省の行った実大火災実験でも出火後10分で一般木造はほとんど火に包まれてしまったのに、ツーバイフォー住宅は、小火程度の状態でした。

つまり、家全体が火災になるまでの時間が長いため、初期消火活動で火災を防げ大切な財産を守ることが出来ます。

 

○気密性と断熱性○

冷暖房費に大きな差が出る省エネ構造。ツーバイフォー住宅は、省エネ住宅といわれています。

外壁材、構造用合板、断熱材、セッコウボードなどで、効率よく、外部の暑さ、寒さをはね返し、非常に気密性の高い構造です。

冬の隙間風をなくし、夏の暑さから壁面の温度上昇を防ぐことが出来ます。

住み心地の良さが省エネ住宅を生み出し冷暖房費を大幅に節約することが出来ます。

 

○耐久性○

常に腐朽防止状態を保ち、抜群の堅ろうさを確保。腐朽に必要な条件(水、温度、酸素、養分)のうち、

水を断ち、木材を乾燥状態に保つことに主眼をおいて、規定された処置を行っています。床には、防湿フィルムを敷くか、ベタにコンクリートを打つ。

外壁、屋根の下地材の上等に防水紙を使用、更に換気口を有効な位置に充分設けて施工します。

特殊な方法で、結露に対処する2重壁式工法を用い、構造的に強いだけでなく、湿気面にも対処した方法の工法は、更に耐久力を増します。

 

詳しくは、監修した本が出てますので、見てください。

「越澤 治」氏、著作の2×4住宅マニュアル本が、 山海堂から発売中です。
2×4工法について素人でも解りやすく解説してあります。画像や写真も多数収録。
書店で見かけたら是非、手にとって見てください。 2,415円(税込)にて。