10−11 分子式・構造式を求める。
 問題 炭素・水素・酸素よりなる有機化合物の45mgを燃焼させて、二酸化    炭素66mg、水27mgを得た。
   A この化合物の組成式を求めよ。
   B この化合物の分子量が30であるなら、分子式と名称は何か。
   C この化合物の分子量が60であるなら、考えられる構造式を求めよ。
 
10−11−1 復習コーナー
 
10−11−2 試料の酸化
解説 問題解法
炭素・水素・酸素よりなる物質は酸化すると二酸化炭素と水になる。
二酸化炭素はソーダ石灰(NaOH・CaO)に吸収させその質量をはかる。
水は塩化カルシウムに吸収させその質量をはかる。
試料を45mg燃焼させ、
(C・H・O) +(O)→CO2 + H2O
二酸化炭素66mgと水27mgを得た。


 
 
10−11−3 試料に含まれている炭素・水素・酸素の質量
解説 問題解法
二酸化炭素に含まれている炭素の質量は、試料含まれている炭素の質量である。
同様に水に含まれている水素の質量は試料に含まれているの炭素の質量である。
しかし二酸化炭素と水に含まれている酸素の質量の合計は試料と酸化剤の両方の合計である。したがって試料の質量から炭素と水素の質量を引いて求める。
試料中の炭素の質量
CO2:C = 44:12 = 66:炭素の質量
炭素の質量 = 12×66/44=18mg
試料中の水素の質量
H2O:2H = 18:2 = 27:水素の質量水素の質量 = 2×27/18=3.0mg
試料中の酸素の質量
酸素の質量=試料の質量−炭素の質量−水素の質量
試料中の酸素の質量
 = 45-18-3.0 = 24mg
 
10−11−4 問A 組成式を求める
解説 問題解法
各原子の物質量は質量を原子量で割って求める。
物質量の比は原子数の比になることを利用する。
原子数比を整数にする。(各数を最も小さい数で割る)
求める物質の組成式をCxHyOzとする。 x:y:z=18/12:3/1:24/16
 =1.5:3:1.5
 =1:2:1

 Aの答  CH2O
 
10−11−5 問B 分子量が30のとき
解説 問題解法
分子式は組成式を整数倍して求める。




 
組成式量は12+2+16=30
分子式を(CH2O)nとすると
     30n=30
      n=1
 Bの答 CH2O
 (H・CHO ホルムアルデヒド)
 
10−11−6 問C 分子量が60のとき
解説 問題解法
10−11−5と同じ



 
組成式量は12+2+16=30
分子式を(CH2O)nとすると
     30n=60
      n=2
 Cの分子式 C2H4O2
 
10−11−7 求める物質の構造を決める。
  ・考えられる構造式を全部書く。
酢酸 ギ酸メチル  
 ・試料の性質より、含まれている官能基を推定する。
 
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