お酒の害について
 
 「酒は百薬の長」とか「酒は飲むべし飲まれるべからず」とかお酒に関する話は多い。お酒が体に与える影響について認識するようにしてください。
 
T 名称 エタノール,エチルアルコール
 
II アルコールの1単位 ビール大瓶(6%) 1本 または日本酒(15%) 1合
 
V アルコールは脳の働きを麻痺させる。
 
W 酒量と酔い・脳の状態
  単 位   酔いの状態     脳の状態

爽 快 期

 

1まで

 
・気分爽やか
・皮膚が赤くなる
・陽気になる
・判断力がややにぶくなる
大脳の周辺(理性)が麻痺し、大脳の深いところ(本能・感情)の活動が盛んになる。







 

ほろ酔い初期

 

2まで

 
・ほろ酔い気分
・手の動きが活発になる
・抑制がとれる
・体温上昇、脈が遠くなる

ほろ酔い終期


 

3まで


 
・気が大きくなる
・大声でかなりたてる
・怒りっぽくなる
・立てばふらつく
 

酩 酊 期


 

5まで


 
・千鳥足
・くどくなる
・呼吸が遠くなる
・吐気、嘔吐
 
小脳まで麻痺し、運動失調状態になる。

 

泥 酔 期

 

10まで

 
・まともにたてない
・意識混濁
・言語も支離滅裂
 
自分の行動や、周囲のことを記憶できない。
 

昏 睡 期

 

10以上

 
・ゆり動かしても起きない・大小便はたれ流し
・呼吸ゆっくりと深い
・死亡
延髄まで麻蝉し、危険な状態になる。

 
 
V アルコールの体内での変化
エタノール アセトアルデヒド 酢酸 二酸化炭素と水
CH3・CH2・OH → CH3・CHO → CH3・COOH → CO2 + H2O
  有毒(分解酵素により)    
・東洋人の50%は酵素が少なく、すぐ顔が赤くなる。
 一気飲みは危険
・アルコール・パッチテストで判定できる。

VI なぜ未成年者の飲酒は禁止されているのか。
 (1)成人より体に与える影響が大きい。
   脳の神経細胞を壊す。(脳萎縮の症状が成人の5倍)
   記憶障害・学習障害を起こし成績不振になる。
   脳の細胞数は20才の頃が最高で140億
 (2)男らしさ、女らしさがなくなる。
    男 精巣の働きが悪くなる。
    女 卵巣の働きが悪くなる。生理不順、肌荒れ、肥満の原因
 (3)体内の酵素が少なく、急性中毒になりやすい。
 (4)早くから飲酒を始めた者ほど、アルコール中毒になりやすい。
飲酒が習慣化した年齢 中毒になるまでの期間 30代の中毒者の死亡率
10代 数カ月〜3年 健康者の63倍
20代 4年 肝硬変・心不全・脳出血
 
Z 慢性中毒と男女の性差
  男 性 女 性
習慣飲酒から入院までの期間 20年 8年
肝硬変症までの常習飲酒期間 26.8年 16.8年
慢性肝炎までの常習飲酒期間 17年 11年
肝硬変症の発生までの1日飲酒量 120g以上 70-120g
膵炎までの常習飲酒期間 17年 11年
禁酒の効果 高い 低い
 
[ 胎児性アルコール症候
  母親が妊娠中に飲酒することによりおこる胎児の発育異常(人口1000人に対し)
   一 般 者    0.4〜3.1
   アルコール乱用者 24〜29
 
\ たばことの相乗効果
 ガン(特に肺がん、喉頭がん)にかかる確率が高い。
 
] 正しい飲み方
  ・1日に1〜2単位         ・毎日続けて飲まない
  ・時間をかけて食べながら飲む    ・夜12時には止める
  ・薬剤と一緒に飲まない       ・強い酒は薄める(ウィスキー)
  ・甘味の強いものは薄く感じる(ぶどう酒・カクテル)
 
☆高齢喫煙女性の運動能力(平均1日に16本)は
 非喫煙者より5才年を取ったのと同じ・・・握力、歩行速度等
 
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