10−7 エーテルとケトン
 
10−7−1 エーテル
  このような結合をエーテル結合という。
  (R R' は炭化水素の基。)
  ・ジメチルエーテル C2H5-O-C2H5
 製法 エタノールを130℃で濃硫酸により脱水する。(エタノールの項参照)
    C2H5-O-H + H-O-C2H5 → C2H5-O-C2H5 + H2O
  性質 ・粘りけの少ない液体。
    ・芳香があり、麻酔作用がある。
    ・沸点 34.48℃ 引火しやすい。
    ・水に少し溶ける。アルコールにはよく溶ける。
  水100gに溶けるエーテルの質量 0℃のとき 13.1g、 20℃のとき7.0g 
  エーテル100gに溶ける水の質量 0℃のとき 1.01g、 20℃のとき1.20g
 
10−7−2 ケトン
  - CO - カルボニル基をもつ化合物
共通性質 ・酸化剤に対しアルデヒドより安定。
     ・還元性はない。
     ・Rが水素ならアルデヒドとなる。
アセトン CH3-CO-CH3 
 製法 ・酢酸カルシウムの乾留 (CH3COO)2Ca → CH3 -CO-CH3 + CaCO3
    ・2-プロパノールの酸化(第2級アルコール)
CH3-CH(OH)-CH3 → CH3-CO-CH3
2-プロパノール アセトン
    ・クメン法
    ベンゼンとプロペンからフェノールを作るとき生成する。(フェノールの項参照)
 
性質 ・無色で芳香のある液体。
   ・引火しやすい。
   ・水によく溶ける。
   ・他の有機化合物をよく溶かす。
   ・ヨードホルム反応を起こす。
 
ヨードホルム反応について
 次の「その1」または「その2」の構造をもつ化合物に水酸化ナトリウム溶液とヨウ素を加え加熱するとヨードホルムCHI3の黄色沈殿を生じる。
その1 その2
「その1」でR=Hのときはエタノール、R=CH3のときは2-プロパノール
「その2」でR=Hのときはアセトアルデヒド、R=CH3のときはアセトン
 
ヨードホルムは外皮用(創傷・潰瘍)の殺菌・消毒剤として使用されている。
 
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