10−7−1エーテル余談
  エーテルの一般式を R-O-R’と表しましたが、両方の炭化水素の基が、鎖状飽和の炭化水素だとすると RをCnH2n+1、R’をCmH2m+1とすると一般式は CnH2n+1-O-CmH2m+1 となります。
  n=m=1のときは CH3-O-CH3 ジメチルエーテル 気体です。
  n=m=2 のときは CH3-CH2-O-CH2-CH3 ジエチルエーテル 液体です。
  エーテルの代表で、単にエーテルといえば、このジエチルエーテルのことをいいます。気化しやすく、しかも引火しやすいので、実験中エーテルを使用するときは、室内は火気厳禁です。瓶のふたを開けたままにしておくと、漂っていった蒸気が、数メートル離れたところにある火だねにより引火するのです。
 
少し理屈っぽくなりますが、 n=2 m=0 とすると CH3-CH2-OH となりこれはエタノールです。アルコールの代表で、単にアルコールといえばこのエタノールのことをいいます。溶媒、化学工業の原料に多量に使用されていますが、なんといっても酒などのアルコール飲料が、いちばんなじみが深いでしょう。
 
n=0 m=0 とすると H-O-Hとなり水になります。水は炭素原子をもっていないので、有機化合物ではないのですが、理屈っぽくいえば、アルコールの特殊な化合物といえます。有機化合物は水には溶けにくいものが多いのですが、アルコールと水は仲が良くて任意の割合に混ぜることができるのはこんなところに原因があるのでしょう。詳細は化学Uで学習します。
 
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