多くの子どものワクチンが日本でも受けられるようになり、防げる病気も増えました。
接種回数が多くてどのように受けたらよいのか、良くわかりませんよね。大切な赤ちゃんをVPD(ワクチンで防げる病気)から守るために、早く確実に必要な免疫をつけるためのスケジュールを提案しております。
ワクチンの目的は、VPDの予防です。特に乳児は感染症に対する免疫が未発達の為、感染症にかかってしまうと重症化しやすく入院が必要になったり、命にかかわったりする場合があります。VPDにかかりやすい時期になる前に、あらかじめワクチンで十分な免疫をつけておくことが大切です。
特に、ヒブ・肺炎球菌・ロタウィルス・B型肝炎・百日せき菌による感染症に対するワクチン接種は、生後6ヶ月になるまでに、必要な回数を済ませておきましょう。
0歳児のワクチンには、生後2ヶ月になる前に接種できるものもありますが、全体のスケジュールや病気にかかるリスクを考えると、初めてのワクチン接種は、生後2ヶ月から。例えば4月20日生まれなら6月20日から始めることが出来ます。1ヶ月健診が終わったら次は2か月目からの予防接種を計画しましょう。
生後6か月までに受けたいワクチンは6~7種類(接種回数は15回以上)あります。多数のワクチンを1本ずつ受けていては、来院数も増えて大変です。時間もかかるのでVPDを予防する事も確実ではなくなってしまいます。その為にも複数の免疫をつけられる同時接種をお勧めします。
同時接種は、日本ではここ数年で増えてきましたが世界では既に実施されておりました。世界中の小児科医が同時接種を実施しているのは、予防接種のスケジュールが簡単になり、接種率が上がり接種忘れが少なくなるうえに、早く免疫をつけるというワクチン本来の目的を果たすためには必要と思われるからです。
肺炎球菌 ・・
細菌性髄膜炎を予防します。生後6か月を過ぎるとかかる子供が増えてきますので、それまでに4週の間隔を開けて初回3回の接種を済ませておくことが大切です。
ロタウィルス感染症 ・・
飲むワクチンです。同じく生後5~6ヶ月から罹りやすくなりますので、遅くとも生後14週6日までに始めましょう。当院ではロタリックスなので、生後24週までに4週の間隔を開けて、2回完了するように進めていきます。
B型肝炎 ・・
子感染の心配が無ければ生後2ヶ月から、4週の間隔を開けて2回接種。
五種混合 ・・
百日咳を予防します。低月齢の赤ちゃんがかかると重症になりやすいので、
3~4週の間隔を開けて3回、出来るだけ早い接種をお勧めします。
©NPO法人 VPDを知って、子どもを守ろうの会 参照
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