毛利博物館


毛利邸見所紹介

外観
本邸は江戸時代の城郭建築などにみられる書院造(しょいんづくり)の様式を継承した近代建築である。本館主殿に接した正面玄関の車寄(くるまよせ)は、あたかも大名屋敷の式台もかくやと思わせる重厚な作りであり、両側面の羽目板には木目も美しいケヤキが用いられている。

応接室
和風建築の毛利邸にあって唯一洋間として作られているこの部屋は、床(とこ)の高さがやや高いなど、工夫のあとが特徴的である。また床には台湾産の巨大ケヤキ、天井には黒部杉の良材が用いられ、欄間(らんま)の彫刻も見事である。また玄関から応接間に至る廊下にも台湾産の巨大ケヤキが用いられ、部屋部屋を仕切る板戸には屋久杉(神代杉)の一枚板が用いられ、見る人を感嘆させる。

書院(客間・大広間)
階段 邸内最大の部屋で一の間・二の間は畳20畳を数える。江戸時代の大書院形式を踏襲して天井には格天井(ごうてんじょう)が用いられている。一の間・二の間・三の間それぞれのシャンデリアは部屋が下るごとに電球の数を減じており、招待される客の格式を電球の数で示しているところはこの時代の特徴をよく表しているといえる。
1階・2階それぞれに広間が設けられているが、それをつなぐ階段に用いられた木曽御料林から切り出されたヒノキの大角材は圧巻である。
また2階からながめる多々良山(たたらやま)の巨岩群や、前面に広がるかつての塩田、維新回天の舞台ともなった三田尻港やその先に広がる瀬戸内海の多島美は絶景である。

主人居室(居間)
当主の私室であり、奥から書斎・居間・納戸の三部屋からなる。部屋から見える松の老木や、巨大な手水鉢はいかにも男性的で雄々しいつくりとなっている。

浴室(二公浴室)
毛利家当主(公爵)および当主夫人の浴室であり、浴槽は大理石製の豪華なものである。給湯施設が当時から完備しており、大正の建築でありながら、蛇口をひねると湯が出てくる便利さは、公爵毛利家の本邸ならではといったところである。

洗濯場・火熨斗場(ひのしば)・貯蔵場
裏庭に設けられた洗濯やアイロン(火熨斗)掛け用の建物。こうした華族の生活を支える施設が現存しているところは珍しく必見の建物(展示室の渡廊下から見ることができます)。