毛利博物館


庭園概要

路傍庭園
旧山陽道に面した入口から松並木を見ながら、ゆるやかな坂をのぼってゆくと、総ケヤキ造りの雄大な表門にいたる。ここから邸宅までの路は、向って右側は梛(なぎ)川の渓流にそってカエデが路をおおい、左側はよく剪定された数百本のサツキが妍を競う。その奥には自然林が広がり、流れにかかる石橋とあいまって自然と人工の整形の妙に閑雄幽深の境地を行く思いがする。路は途中で二つにわかれ、一つは石橋を渡って右折し、自然林の風情を賞でながら左に旋回し、ゆるやかな勾配をとってのぼり、中雀門を右に眺めて表玄関にいたる。一つは右手に梛川西側のカエデ並木の風致を賞美しながら梛橋を渡り、毛利ミュージアムショップ舞衣(まい)の前を通過して本邸の表玄関にいたる。

前庭
路傍庭園を過ぎると、急に視界が開けて毛利邸正面の入口となる豪壮な車寄(くるまよせ)が見える。その前には巨大な灯籠と大きく育ったヤマモモ、サツキが配置され、前庭を海にたとえるならば、海に浮かぶ島を連想させる。
前庭には売店(天満屋)があり、当地のみやげ物などを買い求めることができる。
毛利博物館の北側には、茶房・ギャラリーも併設された毛利ミュージアムショップ舞衣(まい)があり、オリジナルグッズを購入することもできるほか、定期的に展示会も行われている。また、喫茶・食事なども楽しむことができるので、庭園の風致や博物館の名品に思いをはせながら、憩いのひとときを過ごすことも可能である(営業に関する詳細は、毛利ミュージアムショップ舞衣までその度ご確認ください:TEL0835-25-1707)。

内庭
中雀門(ちゅうじゃくもん)から内庭に入ると、本邸の東南中央に、満々たる水をたたえた面積7,934m2の瓢箪池(ひょうたんいけ)がある。その北には、自然林の小丘を活かして山林的風致を造り出してある。林丘の周囲には遣水としての小渓谷をめぐらせ、一つは西から池に注ぐ飛瀑となり、一つは東をめぐってせせらぎの音もゆかしく池にそそいでいる。池周辺の広庭は、自然を生かしながらも、石組・植栽・芝生・回遊路・石橋・東屋などを施して、池と林丘を調和させ、重量感のある、しかも幽玄の気分をあらわす遊歩地を構成している。邸宅の内外には、各部屋に調和するよう大小幾多の平庭が配置されている。とりわけ、客殿(大広間)・書院に南面した庭が最も豪華である。地割・植栽・岩組等が雄大で、しかも精致を極め、変化に富んだ路地がこれを縫い、明るく華やいだ貴族的な庭相を示している。