ホーム  >  合唱団紹介

合唱団紹介

草の実とは

草の実とは

1979年合唱団設立、 現在34周年を迎えている。宇部市、山口市の元気な幼稚園児から高校生までの団員30名が活動しています。幼、保、小、中、高一貫の音楽教育と人間教育を通して、
心身ともにたくましく、あたたかく、りりしく育っています。素晴らしい子どもの集団です。

指導者紹介

中村明美先生の写真 中村 明美先生
 山口大学教育学部卒
 合唱指導歴 約40年
 教職歴 35年
 学級担任として音楽専科として子どもの表現の可能性について
 研究と実績を重ね、今なお永遠の課題として研鑽中
   山口県音楽家協会会員
 国際コダーイ協会会員
 日本コダーイ協会理事
 近畿・中国・四国支部長
 宮澤賢治学会会員

【メッセージNo.3】
 2012.12.2

草の実33周年を迎えて

 11月3日は草の実合唱団を創立して33周年を迎えました。無煙炭の街の児童合唱を聴いて以来、この仕事に没頭して来たのです。実は教職をしながら、自分らしい研究というか、取り組みをしたい仕事がありました。一つはダンス
(現代舞踊)と児童文学や少年詩の研究であります。幼少時より読書好きであったこと、いつも跳んだり跳ねたりしながら自分で動きを考え出しては近所の子どもたちを躍らせていました。中学2年生の時はすでにダンス部を創設して、多くの部員を抱えていたように思います。そんな私をダンス部の顧問の先生が「中村さん、今日は市民館に邦正美さんのモダンダンスを見に連れて行くよ。」とおっしゃってくださったのです。邦正美さんは当時最先端の舞踊家であり、絵画で言えばシュールリアリズムの旗手でもありました。その時の案内の方が「バレーとモダンダンスの違い。バレーは所作事、モダンダンスは思想である。」と熱狂的に語られました。始めて見る「本物」の芸術は深く脳裏に焼きついて離れません。幾何学的な線を描く「乙女の感情線」や「伝統」そして邦氏自身による「主人公」という舞踊、鮮やかなマントに仮面、音楽はムソルグスキーの展覧会の絵のプロムナードを使っておられたように思います。中学2年生という記憶力抜群の時だからこそ、音楽まで鮮やかな残像となっているのでしょうか。以来、母に何度となく「ダンス」を習いたいとせがみましたが、母は笑うだけで決してミシンを踏むことをとめることはありませんでした。
そこで、私は教師になって上京し、夜間の舞踊研究所に通いたいと願っていました。しかし、進む道は何故か児童合唱の道を志すことになり、40年以上の年月が経ちました。演奏の出来不出来に悩みぬきましたが止めることはありませんでした。つまり、子どもの声に惚れていたのですね。
 11月11日、作曲家の山岸徹先生が子どもたちのご指導に来られました。この夏、先生作曲の「光の花束」を初演しましたが、先生を満足させられなかったように思います。先生は渾身の力で子どもたちをご指導されました。それは極めて素朴で情熱的でした。背中に汗がにじんでいました。私は楽譜第一主義で、頭の中で理想とする響きや音楽が出来上がっているようで反省します。
 引き続き、新曲の「キリエ」の指導の前に先生にお願いしました。ピアノを使わずに初見で歌わせること、臨時記号のシャープやフラットには呼び名をつけて歌わせること、移動ド唱法であること、一つの楽曲はともかく、最後まで歌わせる、などなどとお願いしました。子どもたちも一気に初見でこの曲を歌い、先生の要望に生き生きと付いて行きました。
 私は創立6年目から合唱の方法と曲の種類を変換させました。コダーイの音楽教育の思想に触発され、そのメソードを自分なりの方法で実践してきたわけであります。その成果は新曲の視唱にかかっていました。
山岸先生は「かけがえのない子どもたちです。中村先生が長年取り組んでこられたことが花開いたのですね。」とおっしゃってくださいました。
たくさんの団員を抱えていた時もありましたし、拍手が鳴り止まなかった時、ヨーロッパの教会で観客が立ち上がった時もあります。この道40年の中で大輪の花を咲かせた時だったかもしれません。現在は少人数の子どもたちですが確実に楽譜を読むという力を積み重ねてきたように思います。
 33周年の記念式で言いたかったことは「その時その時の子どもたちがそれぞれの個性の花を咲かせてくれたのです。それは保護者や草の実を支え、期待し続けたくれた方々のおかげでもあります。かけがえのない子どもたち、そしてかけがえのない人たちへのお礼」です。

 モダンダンスは人生を通す仕事や研究にはなりませんでしたが私の音楽の重要な出発点です。遠い遠い昔、母校東岐波小学校のある教室で私は踊っていました。それをたくさんの先生方が取り囲み、「この子はどうしてこんなに音楽に溶け込んでいるのでしょうね。」という囁き声が聞こえてきます。貧しかった昭和20年代、貧しさを分かち合った子どもと先生たち。孫は今、私の母校に通っています。
「おばあちゃん、本当に先生なの。」
「音楽教えに行ってあげようか。」
「いやだ。来たら駄目。」

幼稚園や保育園の子どもたちは授業が終るとすぐに、抱きついてきます。「さよなら あんころもち 又黄な粉(又来な来)」と歌います。小さな柔らかいいのちが伝わります。ありがたく幸せな瞬間です。

指導者からの過去のメッセージはこちらからご覧いただけますを読む

あゆみ

昭和54年11月 草の実少年少女合唱団結成
昭和58年  4月 KRY合唱フェスティバル大賞受賞
平成元年  7月 第18回ウィーン世界青少年音楽祭 世界第2位受賞

オーストリア アイゼンシュタット エステルハージ城にて
平成  2年  3月 山口県栄光メダル賞受賞
平成  3年  8月 全日本合唱コンクール山口県大会 理事長賞並びに金賞受賞
平成  4年10月 全日本合唱コンクール中国大会(岡山) 銀賞受賞
平成  7年  8月 第12回国際コダーイ・シンポジウム招待演奏公開レッスン(イタリア・アッシジ)
平成  9年11月 第8回定期演奏会(宇部全日空ホテル)宮沢賢治作・山野昭正作曲「雪渡り」初演
平成13年  7月 第30回ウィーン世界青少年音楽祭 世界第3位受賞

オーストリア スロバキア ハプスブルク家 (ハンガリー演奏旅行)
            11月 山口県芸術文化振興奨励賞受賞
平成15年  7月 ハンガリー バンキエーリ シンガーズ&草の実合同コンサート
平成16年  8月 草の実少年少女合唱団創設25周年記念演奏会(宇部市渡辺翁記念会館)
ハンガリーよりピアニスト、ケメンツィー・アンタル氏を招く。
P.ヒンデミット作曲、オペレッタ「町をつくろう」を弦楽器の伴奏で歌う。
平成17年 4月 スプリングコンサート in 山口(山口県教育会館)
             8月 全日本合唱コンクール山口県大会(サンビーム柳井) Cの部 金賞受賞
            11月 親と子のコーラスセミナー ゲスト出演(日本のうた)
            11月 指導者 山口県文化功労賞を受賞
            12月 「NHK交響楽団トップメンバー&コーラス・ジュニアによるクリスマスキャロル」
(宇部市渡辺翁記念会館)出演
            12月 「プレ国民文化祭」(山陽小野田市文化会館)ゲスト出演
平成18年 4月 「草の実わらべうたコンサート」(県児童センターにて)
             7月 日本コダーイ協会主催「世代をつなぐアカペラの響き」(東京 津田ホール)
             8月 サマーコンサート in 宇部(宇部全日空ホテル)
            11月 第21回国民文化祭・やまぐち2006 山口県代表(山陽小野田市文化会館)
平成19年 8月 全日本合唱コンクール山口県大会 金賞受賞
            12月 山口県芸術演奏会(宇部市渡辺翁記念会館)特別参加
            12月 草の実クリスマスコンサート(宇部全日空ホテル)
平成20年 8月 コダーイシンポジウム in 宇部
             8月 草の実30周年記念演奏会(宇部市渡辺翁記念会館)
ハンガリーよりピアニスト、アンタル・ケメンツィー氏を招く。
委嘱作品 オペレッタ「どんぐりと山猫」 (原作:宮澤賢治)
            12月 草の実クリスマスコンサート(宇部カトリック教会)
平成21年 7月 サマーコンサート in 宇部(宇部全日空ホテル)
            12月 草の実クリスマスコンサート(宇部カトリック教会)
平成22年 7月 サマーコンサート in 山陽小野田(山陽小野田文化会館)
            12月 草の実クリスマスコンサート(宇部カトリック教会)
平成23年 8月 サマーコンサート(宇部カトリック教会)
平成24年 3月 草の実少年少女合唱団 京都演奏会(京都府京都文化博物館)
            8月 サマーコンサート in 宇部(ANAクラウンプラザホテル宇部)
            12月 「山口県芸術演奏会」に参加(山口市民会館)
平成25年 8月 サマーコンサート(宇部カトリック教会)

ページトップへ