毛利博物館は、近代には華族の最高位である公爵の地位にあった旧萩(長州)藩主毛利氏の本邸を博物館として公開したものである。また所蔵している文化財は、すべて旧公爵毛利家に伝来したものであり、総数約20,000点に及ぶ。
このうち、重要文化財「毛利家文書」をはじめとする古文書10,000点余は、単に毛利家の歴史のみならず、日本の歴史、とりわけ武家権力の成立から成熟・消滅に至るまでの過程を明らかにする上で、欠くことができない重要な史料としてよく知られている。ただし江戸時代の古文書・古記録類のうち主として藩政に関わる数万点は、これより先山口県文書館に寄託され、「毛利家文庫」として公開されている。
さらに平安時代以来の書跡・典籍類は、毛利氏が学問の家大江氏の流れをくむ家としての誇り高い伝統を有していたことを今に伝える貴重な品々だとされている。
このほか、甲冑・刀剣・武具・馬具・衣裳・調度・茶道具・漆器・陶磁器・金工品などの美術工芸品や絵画など約3,000点を所蔵している。これらのうち大部分はいずれも毛利氏重代の品々、および当主ならびに同夫人所用のいわゆる大名道具であるが、そのほか「
日本国王之印」・「
通信符」をはじめとする大内氏ゆかりの対外貿易資料や、「
討幕の密勅」など明治維新関連の歴史資料にも注目すべきものが多く見られる。
うち国宝は、
雪舟筆「四季山水図」をはじめとする4件8点、重要文化財は
「紙本著色毛利元就像」をはじめとする10件8,597点、山口県指定文化財は
「漆絵枝菊椀(大内椀)」など10件373点に及び、西日本有数の博物館としてつとに知られている。
当館では、作品を末永くよりよい状態で保つため約2か月くらいの間隔ですべての資料が入れ替わるよう、年7回程度の展覧会(特別展・企画展、および平常展など)を企画している。その他広報や広汎な普及教育活動を展開して、これら文化財の保存・研究、およびその成果の普及活動に努めている。
当館では収蔵品を保護するため、定期的に展示品を入れ替えています。また、ここに揚げた収蔵品以外のものも多数展示していますので、現在展示されている作品については、直接毛利博物館までお問い合わせください。